ホンダの人気ミニバン、ステップワゴンとフリード。
どちらの車種を選ぶべきか迷う方は非常に多いのではないでしょうか。
特に4人家族での利用や、将来的にフリードからステップワゴンに乗り換えを検討している場合、それぞれのサイズの違いや価格差は大きな関心事です。
さらに、気になる維持費や燃費、そして税金はいくら違うのか、後悔しないための選択をしたいものです。
この記事では、最新のフリードとステップワゴン2024年比較情報をもとに、あなたの疑問を一つひとつ丁寧に解決していきます。
この記事のポイント☝️
- ステップワゴンとフリードの具体的な違い
- 家族構成や用途に合わせた選び方のポイント
- 維持費や税金などコスト面での詳しい比較
- 購入後に後悔しないための重要な注意点
基本から見るステップワゴンとフリードの違い

- 2024年式 フリードとステップワゴンの比較
- サイズの違いは運転のしやすさに影響?
- ステップワゴンとフリードの室内空間
- 気になる新車価格差はどれくらい?
- 維持費と燃費を徹底比較
- 自動車税金はいくら違うのか?
2024年式 フリードとステップワゴンの比較

2024年にフルモデルチェンジを果たした新型フリードは、「小さなステップワゴン」とも言えるほど、内外装のデザインやコンセプトが現行のステップワゴンと近しくなりました。これにより、両車の比較はこれまで以上に重要な意味を持っています。
まず、新型フリードは従来からの「ちょうどいい」サイズ感を維持しつつ、より上質で洗練されたデザインへと進化しました。パワートレインには、スムーズで静かな走りを実現する2モーター式のハイブリッドシステム「e:HEV」が採用され、燃費性能と走行性能を高次元で両立させています。
一方、現行のステップワゴンは、広大な室内空間とリビングのような心地よさを追求したモデルです。こちらもパワートレインにはe:HEVが設定されており、大柄なボディを感じさせない軽快な走りが魅力です。
安全運転支援システム「Honda SENSING」は両車ともに標準装備されていますが、ステップワゴンには渋滞追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されるなど、長距離運転をサポートする機能面で一歩リードしています。
ポイント
新型フリードはデザインや質感がステップワゴンに近づき、これまで以上に直接的なライバル関係となりました。どちらもホンダ独自のe:HEVを搭載し、走りや燃費のレベルは非常に高いと言えます。
サイズの違いは運転のしやすさに影響?

ステップワゴンとフリードを選ぶ上で、最も大きな違いとなるのがボディサイズです。このサイズの違いが、運転のしやすさや駐車時の取り回しに直接影響します。
具体的に数値で比較すると、その差は一目瞭然です。ステップワゴンは5ナンバーサイズを超えるミドルサイズミニバン、フリードは5ナンバー枠に収まるコンパクトミニバンに分類されます。
項目 | ステップワゴン (AIR) | フリード (AIR) | 差 |
---|---|---|---|
全長 | 4,800mm | 4,310mm | -490mm |
全幅 | 1,750mm | 1,695mm | -55mm |
全高 | 1,840mm | 1,755mm | -85mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.2m | -0.2m |
注意点
全長で約50cm、全幅で約5cmの違いがあります。この差は、特に狭い道でのすれ違いや、スーパーの駐車場などでの車庫入れの際に大きく体感することになります。自宅周辺の道路環境や、よく利用する駐車場の広さを事前に確認しておくことが重要です。
運転にあまり自信がない方や、主に街中での利用を考えている方にとっては、フリードのコンパクトなサイズと5.2mという小回りの利く最小回転半径は大きなメリットです。しかし、ステップワゴンも視界が広く設計されており、車両感覚は掴みやすいため、一概に「大きいから運転しにくい」というわけではありません。
ステップワゴンとフリードの室内空間

ボディサイズの違いは、そのまま室内空間の広さに直結します。家族での快適性を考えたとき、この点は非常に重要な比較ポイントになります。
ステップワゴンは、ホンダ独自の低床技術によって、室内高に圧倒的なゆとりがあります。これにより、小さな子供であれば車内で立ったまま着替えることも可能なほどの開放感を実現しています。
3列目シートも大人がしっかりと座れるスペースが確保されており、長距離移動でも快適です。シート格納方法は、床下に完全に収納できるため、荷室をフラットで広々と使える点が最大の魅力です。
一方のフリードも、コンパクトなボディながら最大限の空間効率を追求しています。3列目シートは、あくまでエマージェンシー用ではなく普段使いも可能なスペースを確保。
ただし、シート格納方法が左右に跳ね上げるタイプのため、荷室の左右と上方向にデッドスペースが生まれてしまう点は否めません。
シートアレンジも重要なポイントです。ステップワゴン(7人乗り)とフリード(6人乗り)には、2列目が独立したキャプテンシートのモデルがあります。これにより、1列目から3列目まで車内を自由に移動できるウォークスルーが可能になり、子育て世代には非常に便利です。雨の日などに車から降りずにお子さんのケアができるのは大きな利点ですね。
気になる新車価格差はどれくらい?

車の購入を検討する上で、価格差は最も現実的な問題です。ステップワゴンとフリードでは、車両本体価格に明確な差があります。
例えば、エントリーグレード同士で比較すると、フリードの方がステップワゴンよりも約60万円以上安く設定されています。最上級グレード同士では、その価格差は100万円以上に開くこともあります。
車種 | ガソリンモデル | ハイブリッド(e:HEV)モデル |
---|---|---|
フリード | 約250万円~ | 約285万円~ |
ステップワゴン | 約316万円~ | 約355万円~ |
この価格差は、単にボディサイズだけでなく、装備の充実度にも表れています。例えば、ステップワゴンでは標準装備となっている両側パワースライドドアや運転席・助手席シートヒーター、2列目シートのテーブルなどが、フリードではグレード別設定やオプション扱いになる場合があります。また、USBチャージャーの数やエアコンの機能(プラズマクラスター搭載など)にも違いが見られます。
補足情報
ただし、近年の新型フリードは質感が大幅に向上しており、かつてのような「車格」による明確な装備差は少なくなってきています。
一部では、フリードの上位グレードの方がステップワゴンの下位グレードよりも装備が充実している「逆転現象」も見られるため、単純な価格だけでなく、必要な装備が含まれているかをグレードごとにしっかり確認することが大切です。
維持費と燃費を徹底比較

車両価格だけでなく、購入後の維持費、特に燃費性能は家計に直結する重要な要素です。一般的に、車体が軽く排気量の小さいフリードの方が、ステップワゴンよりも燃費性能に優れています。
最新モデルのWLTCモード燃費で比較してみましょう。
車種 | 駆動方式 | ハイブリッド(e:HEV) | ガソリン |
---|---|---|---|
フリード | FF | 25.6 km/L | 16.5 km/L |
4WD | 21.3 km/L | 14.5 km/L | |
ステップワゴン | FF | 20.0 km/L | 13.9 km/L |
4WD | – | 13.3 km/L |
このように、特にハイブリッドモデルのFF車で比較すると、フリードはステップワゴンをリッターあたり5km以上も上回る優れた数値を記録しています。この差は、年間の走行距離が延びるほど、ガソリン代として大きな金額の差になって現れます。
例えば、年間1万km走行し、ガソリン価格を170円/Lと仮定した場合、ハイブリッドモデルの燃料費は年間で約2万円以上の差が生じる計算になります。
もちろん、これはカタログ値での計算であり、実際の燃費は運転スタイルや道路状況によって変動しますが、フリードの方が経済的であることは間違いありません。
自動車税金はいくら違うのか?

燃費と並んで維持費の大部分を占めるのが税金です。自動車税(種別割)は排気量によって、自動車重量税は車両重量によって決まるため、ここでも両車には差が生じます。
自動車税(年額)
自動車税は、搭載されているエンジンの排気量で税額が決まります。ステップワゴンとフリードでは、この区分が異なります。
- ステップワゴン (1.5L超~2.0L以下): 36,000円
- フリード (1.0L超~1.5L以下): 30,500円
となり、年間で5,500円の差があります。
自動車重量税(2年分・車検時)
自動車重量税は、車両の重さに応じて課税されます。こちらもステップワゴンの方が重いため、税額が高くなります。
- ステップワゴン (1.5t超~2.0t以下): 32,800円
- フリード (1.0t超~1.5t以下): 24,600円
となり、2年間で8,200円(年換算で4,100円)の差です。
年間の税金差額まとめ
自動車税と重量税を合わせると、ステップワゴンはフリードよりも年間で約9,600円維持費が高くなる計算です。ハイブリッドモデルの場合、エコカー減税によって購入時の税金が優遇されることがありますが、その後の維持費にはこの差が継続的にかかってきます。
用途で選ぶステップワゴンとフリードの決め手

- 多くの人が迷うポイントを解説
- 4人家族での使い勝手はどっちがいい?
- フリードからステップワゴンに乗り換える理由
- 購入後に後悔しないための注意点
- 総括:あなたに合うのはステップワゴンかフリードか
多くの人が迷うポイントを解説

ステップワゴンとフリード、この2台で多くの人が迷う根本的な理由は、それぞれに非常に強い魅力があり、どちらの選択も「正解」になり得るからです。
迷うポイントを整理すると、大きく分けて「サイズ感」「価格と維持費」「利用シーン」の3つに集約されます。
「取り回しの良さや経済性を考えるとフリードが良いけれど、家族の快適性や将来性を考えるとステップワゴンの広さも捨てがたい」というのが、最も一般的な悩みと言えるでしょう。
ここで重要なのは、現在のライフスタイルだけでなく、3年後、5年後の家族の姿を想像することです。例えば、子供の成長に伴い部活動の送迎で友人たちを乗せる機会が増えたり、家族でキャンプなど大きな荷物を積む趣味ができたりする可能性も考慮に入れる必要があります。
逆に、子供が独立した後の夫婦二人の生活を考えるなら、大きなミニバンは持て余してしまうかもしれません。
4人家族での使い勝手はどっちがいい?

「4人家族」というキーワードは、ミニバン選びで最も多いユーザー層です。この場合、ステップワゴンとフリードのどちらが最適かは、その家族のライフスタイルによって答えが変わります。
フリードが適している4人家族
普段の利用が街中での買い物や子供の送迎が中心で、3列目シートの使用頻度が低いのであれば、フリードで十分快適に過ごせます。
2列目までを主に使用すれば室内空間は広々としており、コンパクトなサイズはむしろ日常使いでのメリットとなります。ベビーカーなどの大きな荷物も、3列目を格納しておけば問題なく積むことが可能です。
ステップワゴンが適している4人家族
一方で、週末には頻繁に高速道路を使って遠出をする、祖父母を乗せて6人で出かける機会が多い、あるいは大きなアウトドア用品を積んでレジャーを楽しみたいという家族には、ステップワゴンの広さとパワーの余裕が大きな魅力となります。
4人乗車時でも3列目を残したまま荷物を積めるため、シートアレンジの手間が省けるのも利点です。
結論
4人家族であれば、どちらの車も「狭くて使えない」ということはありません。
「日常の利便性」を優先するならフリード、「休日の快適性や積載能力」を重視するならステップワゴン、という視点で選ぶのが良いでしょう。
フリードからステップワゴンに乗り換える理由

実際にフリードからステップワゴンに乗り換えを決めた方々の理由として最も多いのは、やはり「車内の広さ」と「乗り心地」への要求が高まったケースです。
具体的な理由としては、以下のような声が聞かれます。
- 子供が成長して、チャイルドシートを卒業したら車内が手狭に感じ始めた。
- 家族で車中泊やキャンプを楽しむようになり、もっと荷物を積める広い空間が欲しくなった。
- 長距離を走る機会が増え、フリードの2列目シートでは家族が疲れてしまうことがあった。
- 高速道路での走行安定性や、多人数乗車時のパワーにもう少し余裕が欲しかった。
フリードのコンパクトさは日常では大きなメリットですが、ライフステージの変化によって、それが物足りなさを感じる要因に変わることがあります。
ステップワゴンに乗り換えることで得られる静粛性の高さや、シートの質感、リアクーラーによる後席の快適性は、フリードでは得難い満足感に繋がることが多いようです。
購入後に後悔しないための注意点

どちらの車種を選んでも、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けたいものです。後悔を避けるためには、いくつかの重要な注意点があります。
ステップワゴンで後悔するパターン
最も多いのが「大きすぎて持て余す」ケースです。
特に、奥様が運転する機会が多い家庭では、「自宅の駐車場に入れるのが毎回ストレス」「スーパーの狭い駐車枠に停められない」といった問題が起こりがちです。
購入前に必ず、日常的に運転する方が試乗し、車庫入れなどを試しておくことを強く推奨します。
フリードで後悔するパターン
こちらは逆に「思ったよりも狭かった」というケースです。
特に3列目シートの広さや、3列目使用時の荷室スペースは、購入前に実車でしっかり確認する必要があります。
「たまにしか使わないから」と思っていても、いざ使う場面で「荷物が全く積めない」となると、大きな不満に繋がります。
結局のところ、後悔しないための最大の秘訣は「自分の家族の使い方をリアルに想像し、実車でそれを試してみる」ことに尽きます。
カタログスペックだけを眺めるのではなく、ディーラーで実際にシートを倒したり、荷物を積むシミュレーションをさせてもらうのが一番です。
総括:あなたに合うのはステップワゴンかフリードか
これまで様々な角度からステップワゴンとフリードを比較してきましたが、最終的にどちらがあなたにとって最適な一台なのか、その要点をまとめます。
- ステップワゴンは広い室内空間と快適性を求めるファミリーに最適
- フリードは街乗り中心で経済性と取り回しの良さを重視する方におすすめ
- ステップワゴンの全長は約4.8m、フリードは約4.3mと大きな差がある
- 室内高のゆとりはステップワゴンが圧倒的に有利
- フリードの最小回転半径は5.2mで小回りが利きやすい
- 新車価格はステップワゴンの方が60万円以上高価な場合がある
- 維持費は燃費と税金の面でフリードの方が年間数万円安くなる傾向
- 3列目シートの居住性はステップワゴンに軍配が上がる
- フリードの3列目シート格納は跳ね上げ式で荷室に張り出す
- ステップワゴンの3列目シートは床下格納で荷室がフラットになる
- 4人家族なら普段使いはフリードでも十分な広さを確保
- 長距離移動や多人数での利用が多いならステップワゴンの余裕が活きる
- 後悔しないためには購入前の試乗と利用シーンの想定が不可欠
- 自宅の駐車スペースや周辺道路の幅も重要な判断材料
- 最終的には家族全員の意見を聞き、ライフスタイルに合った選択をすることが最も大切