ミニバンの購入を検討する際、オデッセイとステップワゴンを比較する方は非常に多いのではないでしょうか。どちらもホンダを代表する人気モデルであり、それぞれに異なる魅力があります。
この記事では、車の特徴や種類、グレードの違いから始まり、室内空間や大きさ、荷室の積載力、乗り心地や運転のしやすさまで、多角的に比較していきます。
また、子育て世帯に向いているポイントや、維持費・税金・燃費といったコスト面、静粛性や高級感の違いも丁寧に解説。さらに、新車価格と中古車価格の推移をふまえたお得な選び方も紹介します。
「オデッセイが売れない理由」や「13年落ちの税金」など、購入前に気になる情報も網羅しています。これからミニバンを選ぼうとしている方にとって、実用性と満足感の両方を見極める参考になれば幸いです。
記事のポイント☝️
- 各車種の特徴やグレードの違い
- 室内空間や荷室の広さと使い勝手
- 維持費・燃費・税金などのコスト面
- 子育てや日常利用に適した車の選び方
【オデッセイとステップワゴン比較】の基本情報

- 車の特徴と種類 グレードを紹介
- 大きさ比較 どちらが広い?
- 室内空間の比較で見る快適性の差
- 荷室の比較|積載力の違いをチェック
- 子育て世帯に向いているのはどっち?
車の特徴と種類 グレードを紹介

ステップワゴンとオデッセイはどちらもホンダのミニバンでありながら、それぞれ異なるコンセプトと特徴を持っています。どちらが自分に合っているかを見極めるためには、まずそれぞれの車種に用意されている「種類」と「グレード」を理解しておくことが重要です。
まずステップワゴンについてですが、大きく分けて「AIR」と「SPADA」という2つのラインに分かれています。AIRはシンプルで使い勝手のよさを重視したモデルで、ファミリー層に特に人気があります。
一方、SPADAはスタイリッシュなデザインと上質な装備が特徴で、より洗練された印象を与えたい人におすすめです。
さらにSPADAには、リフトアップシートやスロープ仕様といった福祉車両もラインナップされており、介護や車いす利用を考慮した選択肢も豊富です。
これに加え、ステップワゴンにはハイブリッド仕様の「e:HEV」も用意されています。e:HEVは低燃費と力強い加速が特徴で、静粛性の高さも評価されています。
中でも「SPADA PREMIUM LINE」や「BLACK EDITION」といった上位グレードでは、より高級感のある内外装や充実した安全装備が魅力です。
一方でオデッセイは、現在新車としての販売は限られているものの、高級感と走行性能のバランスを重視したモデルとして長年人気を博してきました。
種類やグレードは時期によって異なりますが、上級ミニバンとして設計されているため、内装の質感や静粛性、シートの快適性などにおいて高い評価を受けています。
このように、ステップワゴンはラインナップが非常に豊富で、選択肢の幅が広いことが特徴です。福祉車両を含む多彩なバリエーションが用意されており、用途に応じて細かく選べる点が強みと言えるでしょう。
一方のオデッセイは、やや選択肢が限られるものの、もともと高級志向の設計がされているため、快適性や上質感を求めるユーザーに向いています。
どちらを選ぶにしても、自分のライフスタイルや使用目的を明確にした上で、グレードや仕様の特徴を比較検討することが重要です。
大きさ比較 どちらが広い?

ステップワゴンとオデッセイを比較する際、多くの方が最初に気になるのが「車の大きさ」や「室内の広さ」です。見た目や寸法の違いだけでなく、実際の使い勝手にも関わるため、この比較はとても重要です。
まずステップワゴンの車体サイズを見てみましょう。全長は約4,800mm前後、全幅は1,750mm程度、全高は1,840mmほどです。
これに対し、オデッセイは全長が4,840mm前後、全幅が1,820mm、全高は1,690mm程度と、長さと幅ではオデッセイの方がやや大きいものの、高さではステップワゴンが上回っています。
このため、数値だけを見ると「オデッセイの方が大きい」と感じるかもしれませんが、室内空間に関しては話が別です。
ステップワゴンは全高が高く、ミニバンらしいボクシースタイルを採用しているため、頭上空間に余裕があり、開放感のある室内となっています。特に後部座席やサードシートでも窮屈さを感じにくい構造です。
また、ステップワゴンは車いす対応や福祉車両仕様のグレードも用意されているため、広さだけでなく車内の「使いやすさ」にも配慮されています。
スロープ仕様では荷室の高さや幅も重視されており、日常使いはもちろん、介護など特別な用途にも対応できる設計です。
一方、オデッセイは重心が低く、全高も抑えられているため、安定感のある走行性能が得られる反面、天井の高さにはやや制限があります。
ただし、着座位置や足元空間の設計が工夫されており、3列目シートも比較的快適に座れるようになっています。
このように考えると、「高さがあって広く感じる室内空間」を重視するならステップワゴン、「全体のサイズ感と低重心による安定性」を求めるならオデッセイに軍配が上がります。用途によって、どちらが「広い」と感じるかが変わるのです。
室内空間の比較で見る快適性の差

ミニバン選びにおいて「室内空間の快適性」は非常に重要なポイントです。ステップワゴンとオデッセイのどちらがより快適かという視点で見ると、それぞれに明確な違いがあります。
まずステップワゴンは、設計段階からファミリー層を意識して作られており、ゆとりのある頭上スペースとフラットな床面が特徴です。特に新型では室内高が高く、背の高い大人でも圧迫感を感じにくい設計となっています。また、2列目シートのスライド幅が広く、チャイルドシートの装着や車内での移動もスムーズです。
さらに、福祉車両仕様が豊富な点も注目に値します。2列目や3列目にスロープやリフトアップ機能が搭載されたモデルでは、乗り降りの負担が軽減され、介助する側の快適性も考慮されています。
これは単なる広さ以上に、「使いやすさ」という意味での快適性が高いと言えるでしょう。
一方オデッセイは、車高が低いため天井の圧迫感こそありますが、乗り心地と静粛性においては高級車に近いレベルを実現しています。特に2列目のキャプテンシートは質感が高く、足元空間も広めに確保されているため、長距離移動でも疲れにくい点が魅力です。
また、遮音材の使用やサスペンションの工夫によって、走行中の騒音が少なく、落ち着いた室内環境が保たれています。
このように、ステップワゴンは「室内の広さと機能性」に、オデッセイは「シートの快適さと静粛性」にそれぞれ優れていると言えるでしょう。
子ども連れのファミリーや車内で頻繁に移動する人にはステップワゴンが向いており、落ち着いた乗り心地を求める人にはオデッセイがおすすめです。
どちらも方向性の違う快適性を持っているため、自分が「何に快適さを感じるか」を明確にしたうえで選ぶことが大切です。
荷室の比較|積載力の違いをチェック

荷室の使い勝手や積載力は、ミニバン選びにおいて非常に重要な要素のひとつです。特に家族での旅行や日常の買い物、大きな荷物を積むシーンが多い方にとって、荷室の広さや形状、アレンジ性は車の満足度に直結します。ここではホンダのオデッセイとステップワゴンの荷室性能を比較し、その違いを見ていきましょう。
まずステップワゴンの荷室は、ボクシーな外観からもわかる通り、非常に広く実用的な作りが特徴です。全高が高いため、荷室の天井も高く、大きな荷物でも積み下ろしがしやすい構造になっています。
特に3列目シートは床下に収納する方式を採用しており、シートを収納すればフラットで大容量の荷室が現れます。この構造は、荷物の形状や大きさを問わず、さまざまな用途に対応できる点が大きなメリットです。
一方のオデッセイは、ステップワゴンに比べて全高が抑えられているため、縦方向の積載力ではやや劣ります。ただし、荷室の奥行きは十分にあり、3列目シートを床下に格納する方式を採用している点は同じです。
このため、使い勝手としては近いものがありますが、荷室の開口部がやや狭いため、大型の荷物を積む際には注意が必要です。
また、両車種ともにリアゲートは電動式のグレードが用意されており、荷物で両手がふさがっているときでも楽に開閉できる点は共通しています。
ただ、ステップワゴンには「わくわくゲート」と呼ばれる横開き機能付きのバックドア(旧モデルに搭載)があったこともあり、荷室へのアクセス性という面では一歩リードしていた時期もあります。
さらに、ステップワゴンの一部グレードでは福祉車両としてスロープが装備されており、車いすのまま積載できる設計になっています。このような特殊なニーズにも対応している点は、他のミニバンにはない大きな魅力です。
このように、荷室の積載力だけでなく、「積みやすさ」や「アレンジの自由度」を重視するのであれば、ステップワゴンの方が使い勝手の良さでやや優れていると言えるでしょう。
ただし、オデッセイの荷室も決して狭いわけではなく、日常使いや長距離移動にも十分対応できます。どちらも高いレベルで実用性が確保されているため、自分の荷物の量や使い方に応じて選ぶのが良いでしょう。
子育て世帯に向いているのはどっち?

小さな子どもがいる家庭では、車の選び方も大きく変わります。単に移動できればよいというわけではなく、安全性、乗降のしやすさ、室内の広さ、シートアレンジの柔軟性など、多くのポイントをチェックする必要があります。
オデッセイとステップワゴンのどちらが子育て世帯により適しているかを考えると、重要なのは「日々の使いやすさ」と「家族全員が快適に過ごせるかどうか」です。
まずステップワゴンは、子育てを想定した設計が随所に見られるファミリー向けのミニバンです。乗降口が広く、スライドドアが電動で開閉できるため、子どもを抱っこしたままでもスムーズに乗り降りできます。
また、車高が高く、天井も広いため、チャイルドシートの着脱も容易です。さらに、2列目や3列目のシートはスライドや折りたたみができ、状況に応じて多彩な使い方ができる点も魅力です。
一方でオデッセイもスライドドアを備えたミニバンであり、低床設計によって乗り降りのしやすさを確保しています。ただ、車高がやや低めに設定されているため、ステップワゴンに比べて車内の動線が狭く感じることがあります。
その分、走行中の安定感や静粛性には優れており、大人が快適に過ごせる空間としては非常に完成度の高い車です。
さらに、ステップワゴンは福祉車両の設定が豊富に用意されており、子どもがけがをして一時的に車いすを使用するような状況でも柔軟に対応できます。
これに対して、オデッセイはそうしたバリエーションが少なく、標準モデルに限られる点はデメリットになりうるでしょう。
安全装備に関しては、どちらもHonda SENSINGを搭載しており、衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線維持支援システムなどが標準装備されています。特に子どもを乗せることの多い家庭では、こうした先進安全装備が安心材料になるはずです。
このように、日常の使いやすさや柔軟なシートアレンジ、乗降のしやすさを重視する子育て世帯にとっては、ステップワゴンの方がより親和性が高いと言えます。
一方で、大人も含めて静かで上質な移動空間を重視するなら、オデッセイという選択肢も十分に価値があります。
【オデッセイとステップワゴンを比較】価格と性能

- 新車価格と中古車価格の違い
- 維持費や税金 燃費を徹底比較
- 乗り心地と運転のしやすさを比較
- 静粛性|車内の快適性を左右する要素
- オデッセイが売れない理由とは?
- 高級車としてのオデッセイ魅力
- 価格の推移から見るお得な選び方
- まとめ
新車価格と中古車価格の違い

価格はクルマ選びの最重要ポイントのひとつです。特に新車と中古車ではコスト感が大きく異なるため、初期費用や長期的な維持費まで視野に入れて検討する必要があります。ここではステップワゴンとオデッセイの新車価格・中古車価格の違いを詳しく見ていきましょう。
まずステップワゴンの新車価格ですが、最もベーシックな「AIR」グレードで約334万円から、ハイブリッドの上級グレード「e:HEV SPADA PREMIUM LINE BLACK EDITION」になると約440万円に達します。
福祉車両などの特殊モデルは、税制上の優遇があるものの、価格帯としてはおおよそ370万円から410万円程度となっています。ラインナップが豊富で、ガソリン車からハイブリッド、福祉車両まで幅広く選べるのが特徴です。
一方でオデッセイは現在新車での流通がかなり限られているため、中古車市場での取引が主になります。かつての新車価格はグレードによって異なりましたが、おおよそ350万円~450万円程度で販売されていました。
中古市場では、年式や走行距離に応じて価格のばらつきがありますが、状態の良い車両であれば200万円~300万円前後で見つけることができます。
このため、初期費用を抑えたい方には中古のオデッセイが選ばれやすくなっています。ただし、中古車は新車保証が受けられない場合も多く、メンテナンス履歴や消耗品の状態をしっかり確認することが必要です。特に10年以上経過した車両では税金や修理コストがかさむ可能性があるため注意が必要です。
ちなみに、オデッセイに関しては「13年落ちの税金」が話題になることがあります。これは自動車税や重量税が割増される制度によるもので、古い車を長く保有する場合にはランニングコストが上がるリスクがあることを意味します。
一方、ステップワゴンのように現行モデルを新車で購入する場合、初期費用は高くなるものの、メーカー保証や最新の安全装備が含まれており、安心して長期間使用できるという利点があります。
結果として、価格面では中古車のオデッセイに経済的なメリットがあるものの、車の状態や将来的な維持費を考えると、ステップワゴンの新車にも十分な価値があります。
購入予算だけでなく、今後の使い方やライフスタイルに合わせた選択が大切です。
維持費や税金 燃費を徹底比較

車を購入する際、初期費用と同じくらい大切なのが「維持費」です。特に長期間所有することを前提とした場合、燃費や税金などのランニングコストが家計に与える影響は決して小さくありません。
ここでは、ホンダのミニバンであるステップワゴンとオデッセイの維持費、税金、燃費について詳しく見ていきましょう。
まず燃費に関してですが、ステップワゴンはガソリン車とハイブリッド車(e:HEV)に分かれており、それぞれで数値が大きく異なります。ガソリン車のWLTCモード燃費はおおよそ12.0〜13.2km/Lで、FFと4WDの駆動方式によって若干の差があります。
一方、ハイブリッドモデルでは19.5〜19.8km/Lと大きく燃費性能が向上しており、燃料代を抑えたい方にとっては魅力的な選択肢となります。
オデッセイに関しては、新車での流通が少ないため過去モデルの数値を参考にする必要があります。
ガソリン仕様のオデッセイでは10.8〜13.6km/L程度が一般的であり、燃費面ではステップワゴンのハイブリッドに及ばない印象です。特に市街地走行が多い場合には、燃費の差が月々のガソリン代に大きく表れることもあります。
次に税金についてですが、車の税額は排気量と年式によって決まります。ステップワゴンのガソリン車は1.5Lターボで、毎年の自動車税はおおよそ34,500円です。ハイブリッド車も同じ排気量となるため税額は変わりません。
ただし、環境性能に応じてエコカー減税の対象となる場合があり、購入初年度の自動車重量税や取得税が軽減される可能性があります。
一方オデッセイは2.4Lエンジンを搭載しているため、自動車税はおおよそ45,000円とやや高めになります。
さらに、13年以上経過した車両になると自動車税や重量税が増額されるため、長期保有を考えている場合には注意が必要です。中古車購入時には必ず年式と排気量を確認し、将来的な税負担を見積もることが重要です。
このように見ると、ステップワゴンの方が燃費・税金ともに維持費を抑えやすく、特にe:HEVモデルは長距離通勤や頻繁なドライブをする方に向いています。
オデッセイは走行性能や快適性に優れていますが、維持費においてはやや負担が大きくなるケースがあるため、使用頻度や用途に応じて慎重に検討する必要があります。
車種 | 燃費(WLTCモード) | 排気量 | 自動車税(年間) | 特徴 |
stepwgn(ガソリン) | 12.0~13.2 km/L | 1.5Lターボ | 約34,500円 | 価格を抑えたバランス型 |
stepwgn(ハイブリット) | 19.5~19.8 km/L | 1.5Lターボ+モーター | 約34,500円 | 燃費と静粛性に優れる |
odyssey(ガソリン) | 10.8~13.6 km/L | 2.4L | 約45,000円 | パワーはあるが維持費高め |
乗り心地と運転のしやすさを比較

車を選ぶ際に、カタログではわからない重要なポイントの一つが「乗り心地」と「運転のしやすさ」です。これは日々の移動が快適かどうかを左右する要素であり、特にミニバンのような大きな車では注目すべき部分です。
ステップワゴンとオデッセイのこの2つの面を比べてみましょう。
ステップワゴンは、乗る人すべてにとって快適な時間を提供することを目指した設計となっています。シートの形状は適度な硬さがあり、長時間のドライブでも疲れにくい工夫が施されています。
また、足元空間が広く確保されているため、後部座席の乗員もゆったりと過ごすことができます。サスペンションはソフト寄りで、段差や路面の凹凸をうまく吸収してくれるため、子どもや高齢者を乗せる場合にも安心です。
一方でオデッセイは、より低重心で重厚感のある走りを得意とするモデルです。運転席からの目線が低いため、まるでセダンのような感覚で運転することができ、ステアリングの応答性や直進安定性にも優れています。
サスペンションはやや硬めですが、これが走行中のふらつきを抑え、滑らかな走りを実現しています。特に高速道路ではその恩恵を感じやすく、長距離ドライブでの快適性は非常に高い評価を受けています。
ここで注目したいのは「運転のしやすさ」です。ステップワゴンは車体の四隅が把握しやすいデザインになっており、取り回しが良好です。
バックモニターやパーキングセンサーなどの補助機能も充実しているため、大きめのボディでも安心して運転できます。加えて、ハイブリッド仕様のe:HEVでは低速時の加速が滑らかで、信号の多い市街地でもスムーズな走行が可能です。
一方オデッセイは、ミニバンでありながら重心の低い安定した走行性能が特徴です。ただし全幅がやや広めであるため、狭い道では多少の注意が必要になる場合があります。
駐車場などでの取り回しに関しては、慣れが必要なシーンも出てくるでしょう。
総じて、ステップワゴンは運転初心者やファミリー向けの設計がされており、ストレスなく操作できるのが魅力です。一方のオデッセイは、運転が好きな方や走行性能を重視する方にとって、満足度の高い1台と言えるでしょう。
静粛性|車内の快適性を左右する要素

ミニバンにおける「静粛性」は、車内の快適性を左右する大きな要因です。会話がしやすいか、音楽がクリアに聞こえるか、子どもがぐっすり眠れるかといった細かい部分にまで影響を与えるため、意外と見落とせないポイントとなっています。ここではステップワゴンとオデッセイの静粛性の違いを比較し、それぞれの特長を掘り下げていきます。
ステップワゴンは、特にハイブリッドのe:HEVモデルで静粛性が高く評価されています。エンジン始動から走行までがモーター主体となるため、アイドリング音や加速時の騒音が非常に少なく、走り出しは驚くほど静かです。
また、ロードノイズや風切り音を抑えるためにボディの遮音設計や吸音材の配置にも工夫が見られます。これにより、街中や住宅街を走る際にも、外部の音に邪魔されることなく車内の会話を楽しむことができます。
一方のオデッセイは、もともと「上質な移動空間」を意識して設計されており、その静粛性の高さは長年ユーザーから支持されてきました。
エンジン音や振動の抑制に加え、床下やドア周辺に厚めの防音材が使われていることで、まるで高級セダンのような静かな空間を実現しています。特に高速走行時に差が現れやすく、エンジン回転数が上がっても音が車内に伝わりにくいため、長距離ドライブでも疲れにくいのが特長です。
また、室内の素材や設計も静粛性に影響します。ステップワゴンは実用性重視でカジュアルな内装が特徴ですが、クッション性のある素材がノイズを吸収する効果も持っています。
SPADA PREMIUM LINEなどの上位グレードでは、質感を高めつつ、静音性にも配慮されたつくりになっています。
オデッセイはシートや内装の仕上げが非常に丁寧で、素材の質感そのものが「静けさ」を感じさせる要因になっています。高級車のようなドアの閉まり音、静かに走り出す加速感など、細部にわたって上質さが演出されています。
このように、どちらの車も高いレベルで静粛性を実現していますが、用途や好みによって選び方が変わります。
ファミリーユースや市街地での走行が多い方にはステップワゴンのハイブリッドモデルが向いており、上質な車内空間や高速での静けさを重視する方にはオデッセイが最適です。静粛性という一見地味な要素が、日常の満足感に大きく影響することを忘れてはいけません。
オデッセイが売れない理由とは?

かつて人気を誇っていたホンダ・オデッセイ。しかし近年は販売台数が伸び悩み、「なぜ売れなくなったのか?」という声を耳にすることも少なくありません。
この背景には、単なるモデルの古さだけではなく、いくつかの複合的な要因が関係しています。
まず大きな理由として、市場のトレンドが変化したことが挙げられます。以前のオデッセイは「ミニバンらしくないミニバン」として、スタイリッシュなフォルムと低重心の走行性能を武器に人気を集めていました。
しかし近年のミニバン市場では、室内空間の広さや使い勝手の良さを重視するユーザーが増え、背が高くボクシーなデザインの車種に人気が集まるようになっています。
これにより、スタイリッシュでスポーティな印象のオデッセイは、ファミリー層のニーズから少しずれてしまったのです。
また、国内生産からの撤退も販売に大きな影響を与えました。ホンダは2021年にオデッセイの国内生産を終了し、一時的に新車の供給が途絶えました。この影響で販売店の在庫も限られ、新車での購入が難しくなったことで、結果として販売台数の減少に拍車がかかったのです。
現在は一部輸入モデルとしての販売が再開されていますが、供給体制が不安定な点は依然として課題と言えるでしょう。
さらに、オデッセイは他のホンダ車と比べて価格帯が高く、ファミリーカーとしての「買いやすさ」に欠ける部分があります。ミニバン市場では、価格や燃費のバランスが重視される傾向にあり、オデッセイのように高級感や走行性能を売りにしたモデルはコストパフォーマンス面で選ばれにくいのが現実です。
これに加えて、競合車種の存在も見逃せません。トヨタのアルファードやヴェルファイア、日産のセレナ、ホンダ自身のステップワゴンなど、多くのミニバンが市場でしのぎを削っています。
その中で、オデッセイは独自性を維持しきれず、やや中途半端な立ち位置に見えてしまったことも要因の一つです。
このように、オデッセイが売れなくなった背景には、時代の変化と市場のニーズとのズレ、供給体制の変化、価格帯の高さ、そして競合との関係といった複数の要因が重なっています
。良い車であることは間違いありませんが、それだけでは市場で勝ち残ることが難しいという現実が浮き彫りになっています。
高級車としてのオデッセイ魅力

オデッセイは、単なるファミリーミニバンではなく、プレミアムな高級車としての魅力も併せ持つモデルです。乗る人すべてに快適さと上質な時間を提供する設計思想は、長年多くのユーザーに支持されてきました。
その価値は、スペックだけでは測れない細部の作り込みや洗練された走行感覚に現れています。
まず注目すべきは、車内の質感です。シート素材やパネルの仕上げに至るまで、上級セダンと比較しても遜色のない仕上がりであり、落ち着いたインテリアが印象的です。
2列目シートにはオットマン付きのキャプテンシートを採用したグレードも存在し、まるで飛行機のビジネスクラスのような座り心地を提供してくれます。ゆったりとした空間と贅沢な装備は、長距離ドライブでも快適性を損ないません。
次に挙げられるのが、静粛性の高さです。ロードノイズやエンジン音がしっかりと遮断されており、車内では落ち着いた時間が流れます。
オーディオの音もクリアに響き、家族や同乗者との会話が自然と弾む設計です。特に高速道路での走行時にその効果は顕著で、騒がしさとは無縁の移動体験が可能です。
走行性能にも高級車らしさが光ります。低重心設計としっかりとした足回りにより、ミニバンでありながらも安定感ある走りを実現しています。
カーブでもふらつきが少なく、ハンドリングもスムーズ。長時間の運転でも疲れにくく、ドライバーにとっても魅力的なポイントです。
また、安全装備や運転支援技術も充実しています。Honda SENSINGによる衝突軽減ブレーキ、車線維持支援、アダプティブクルーズコントロールなど、先進機能が多く搭載されており、安心感が高い点も高級車としての重要な要素です。
このように、オデッセイはデザイン・質感・静粛性・走行性能・安全装備のすべてにおいて高いレベルを実現しており、ミニバンであっても“移動空間の上質さ”を求める人には最適な選択肢と言えるでしょう。
ファミリーユースにとどまらず、ビジネス用途や送迎車としても、そのクオリティは十分に満足できるはずです。
価格の推移から見るお得な選び方

クルマを購入する際には「今が買い時かどうか」を見極めるのが難しいポイントです。とくにオデッセイのように新車の供給が不安定なモデルでは、価格の推移を理解しておくことが賢い買い物につながります。
ここでは、過去の価格変動をふまえて、どのようにお得にオデッセイを手に入れるかを解説します。
まず新車価格の動きについてですが、オデッセイはモデルチェンジごとに着実に価格が上昇してきました。初期のモデルでは250〜300万円台が主流でしたが、近年の上位グレードでは400万円を超えることも珍しくありません。
装備の充実や安全機能の標準化が進んだことで価格が上がるのは当然ではありますが、それにより手が出しにくくなったと感じるユーザーも増えました。
一方で、中古車市場では一定のタイミングで価格が下がる傾向が見られます。特にフルモデルチェンジや生産終了が発表された時期には、旧モデルの在庫が値下がりしやすくなるため、狙い目となります。
実際、2021年の国内生産終了後には一時的に中古価格が上昇しましたが、その後在庫が安定したことで価格は落ち着きを取り戻しました。
購入を検討するなら、登録から5年未満の認定中古車が狙い目です。走行距離が少なく、保証が残っている車両であれば、新車と大差ない性能をお得な価格で手に入れることが可能です。
また、車検前後のタイミングではディーラーが在庫を処分するため、割安なプライスで提供されるケースもあります。
注意点としては、古すぎる車両を選ぶと維持費がかさんでしまう可能性があることです。13年以上経過した車には自動車税や重量税の増額があるため、価格だけに目を奪われず、総合的なコストで判断することが大切です。
また、価格推移をチェックするには、中古車情報サイトだけでなく、オークションの落札価格やディーラーの在庫状況なども参考になります。近年はオンラインでも価格比較がしやすくなっているため、情報を集めてから購入のタイミングを見極めると良いでしょう。
このように、オデッセイの価格の推移を把握しておけば、無駄な出費を抑えつつ、納得のいく買い物が可能になります。新車にこだわらず、状態の良い中古車を賢く選ぶことも十分に検討する価値があります。


まとめ
オデッセイとステップワゴンは、どちらもホンダを代表するミニバンとして高い評価を受けてきた車種です。ただし、その性格や設計思想には明確な違いがあります。
ステップワゴンは、広い室内空間や柔軟なシートアレンジ、福祉車両としての対応力など、ファミリー層や子育て世帯にとって非常に実用的なモデルです。
一方で、オデッセイは走行性能や静粛性、インテリアの質感などにおいてプレミアム感を重視しており、移動の質を求める人に適しています。
維持費や燃費、税金の面では、排気量が小さく燃費性能の良いステップワゴンのハイブリッドモデルに分があります。
反対に、オデッセイは中古市場での価格が安定しているため、状態の良い個体を見つけられればコストパフォーマンスの高い選択になることもあります。
結局のところ、どちらが「優れている」と一概に決めるのではなく、「どのような使い方をしたいか」「何を重視するか」によって最適な選択肢は異なります。
室内の広さや子どもとの日常使いを重視するならステップワゴン、快適なドライブや上質な空間を求めるならオデッセイ。これがもっとも自然な答えと言えるでしょう。
両車ともに優れた魅力を持っているからこそ、用途やライフスタイルに合わせて選ぶことで、納得のいくカーライフが実現できるはずです。
オデッセイとステップワゴンの比較から見える選び方のポイント
- ステップワゴンはグレードが多く用途別に選びやすい
- オデッセイは高級感と走行性能に優れるモデル
- ステップワゴンはボクシーで室内高が高く開放感がある
- オデッセイは全長・全幅がやや大きく走行安定性が高い
- ステップワゴンは車いす対応など福祉仕様が充実
- 室内移動やチャイルドシート利用はステップワゴンが便利
- オデッセイは静粛性や素材の上質さで快適性が高い
- 荷室の積みやすさとアレンジ性はステップワゴンが有利
- オデッセイの荷室も奥行きがあり実用性は十分
- 子育て世帯にはスライドドアと高天井が便利なステップワゴンが向く
- ステップワゴンのハイブリッドは燃費と維持費に優れる
- オデッセイは排気量が大きく税金や燃費ではやや不利
- オデッセイは現在新車入手が困難で中古市場が中心
- 中古オデッセイは価格安定しており条件が合えばお得感あり
- 高速走行や上質な乗り心地を重視するならオデッセイも選択肢になる
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