トヨタのノアを購入しようと考えたとき、多くの人が最初にぶつかる壁が「何人乗りを選ぶべきか」という問題ではないでしょうか。カタログを見ても7人乗りと8人乗りそれぞれの良さが書かれていて、結局どっちが自分のライフスタイルに合っているのか迷ってしまいますよね。
特に2025年の改良でグレード体系が大きく変わったため、以前の情報を頼りにしていると思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。私自身も車を選ぶときは、家族構成や休日の過ごし方を何度もシミュレーションして悩んだ経験があります。
この記事では、ノアの定員選びに関する疑問やグレードごとの設定、そして車中泊や使い勝手の違いについて、最新の情報を交えながら詳しく解説していきます。
記事のポイント☝️
- 7人乗りと8人乗りの決定的な違いとそれぞれのメリット・デメリット
- 2025年の改良で変更されたグレードごとの定員設定のルール
- 車中泊や大きな荷物を積む際に有利なシートアレンジの秘密
- 今の愛車を少しでも高く売るための賢い乗り換えテクニック
トヨタのノアは何人乗りが正解?7人と8人の違いを比較

ノアを選ぶ際、エンジンの種類と同じくらい重要なのが乗車定員の選択です。一度決めたら購入後に変更することができない部分だけに、慎重に選びたいところですよね。
ここでは、7人乗り(キャプテンシート)と8人乗り(ベンチシート)の構造的な違いや、実際の生活シーンでどのように使い勝手が変わってくるのかを比較していきます。
ノアの7人乗りと8人乗りはどっちがいい?

結論から言うと、「車内での移動のしやすさ」を優先するなら7人乗り、「積載量と車中泊の快適さ」を優先するなら8人乗りがおすすめです。これは単に座れる人数の違いだけではありません。
7人乗りを選ぶ最大の理由は、やはり「ウォークスルー」の存在でしょう。2列目が独立したキャプテンシートになっているため、中央に通路が確保されています。例えば、雨の日にスライドドアからサッと乗り込み、そのまま車内を通って運転席へ移動できるのは、7人乗りだけの特権です。
小さなお子さんがいるご家庭なら、後席でチャイルドシートに乗せたあと、外に出ることなく運転席へ戻れるので、自分自身が濡れずに済みます。また、高速道路のサービスエリアで休憩中、3列目に座っている子供が「トイレに行きたい」と言い出したときも、わざわざ2列目のシートを動かすことなくスムーズに降りられる動線の良さは、一度味わうと手放せません。
一方で8人乗りは、2列目がつながった「ベンチシート」です。ここには3人が座れますし、シートを畳んだときのフラット感が強いため、荷物をたくさん積んだり、休憩スペースとして活用したりするのに向いています。特に、家族全員でキャンプに行くのが趣味という方や、部活動の送迎で少しでも多くの荷物を積みたいという方には、8人乗りの積載能力が頼もしく感じられるはずです。
どちらが優れているかではなく、ご自身の家族が「車内でどう過ごしたいか」を基準に選ぶのが正解への近道です。「移動中は個々の空間でゆったり過ごしたい」なら7人乗り、「車内を部屋のように広く使いたい」なら8人乗り、という風にイメージしてみると、自然と答えが見えてくるかもしれませんね。
ノアの8人乗りを選ぶデメリットとメリット

8人乗りには、カタログのスペック表だけでは見えてこない、生活に密着したメリットとデメリットが存在します。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、リアルな使い勝手を知っておくことが重要です。
まず、8人乗りを選ぶ際に最も理解しておくべきデメリットは、3列目シートへのアクセス方法です。
8人乗りの注意点(デメリット)
3列目に乗り込むためには、必ず2列目のベンチシートを操作(チップアップ&スライド)する必要があります。もし2列目にチャイルドシートを固定していると、この操作ができなくなり、実質的に3列目が封印されてしまう「詰み」の状態になる可能性があります。
例えば、2列目の左右にチャイルドシートを2台設置してしまうと、真ん中の席も狭くて座れず、シートを跳ね上げることもできないため、3列目への動線が完全に遮断されます。3列目を使うには、いちいちチャイルドシートを取り外さなければならず、これは日常使いにおいて現実的ではありません。お子さんが小さく、チャイルドシートが必須の時期は、この点が最大のネックになるでしょう。
しかし、それを補って余りあるメリットも存在します。最大の利点は「いざという時に8人乗れる」という安心感でしょう。核家族化が進んでいても、お盆や正月に親戚が集まったり、子供の友達を急遽乗せて送っていくことになったりと、定員オーバーで車を2台出す必要がなくなるシチュエーションは意外と多いものです。「あと一人乗れたら…」という場面で悔しい思いをしなくて済むのは、8人乗りオーナーだけの特権です。
また、乳幼児がいる家庭ならではのメリットとして、ベンチシートが「おむつ交換台」として機能する点も見逃せません。パーキングエリアなどで車を停めた際、フラットな座面でおむつを替えたり、ぐずる子供の隣に座って密着してあやしたりできるのは、独立したキャプテンシートにはない強みです。座面の間に隙間がないので、おもちゃやお菓子が床に落ちにくいという地味ながら嬉しいポイントもありますよ。
ノア8人乗りのシートアレンジと使い勝手

8人乗りのシートアレンジ能力は、実は7人乗りよりも高いと言えます。特に注目したいのが「6:4分割チップアップシート」の機能です。これは、座面が跳ね上がることでコンパクトに前方へスライドできる機構のことですが、これにより驚くほど広いラゲッジスペースが出現します。
7人乗りのキャプテンシートは、前方にスライドさせることはできても、座面を跳ね上げることはできません。そのため、一番前までスライドさせてもシートの厚み分だけスペースを取り、荷室の奥行きには限界があります。しかし、8人乗りのチップアップシートなら、限界まで薄く畳んで前方に寄せることができるため、荷室の奥行きを最大限に活用できます。
チップアップとは?
映画館の椅子のように座面が跳ね上がる機構のこと。これによりシートを限界まで前方に寄せることができ、広大なラゲッジスペースを生み出します。
例えば、子供の自転車をそのまま積み込んだり、IKEAで購入した組み立て前の長い家具を運んだりするシーンでは、8人乗りの方が圧倒的にスムーズです。また、3列目を跳ね上げて2列目をチップアップすれば、商用バンのような広大な空間が生まれるため、引越しの手伝いや、大量のアウトドアギアを積んでのキャンプなど、「トランスポーター」としての優秀さを遺憾なく発揮します。
さらに、トヨタ公式サイトでも紹介されている通り、8人乗りのセカンドシートには705mmものロングスライド機能が備わっています(出典:トヨタ自動車WEBサイト)。これにより、荷物を積まないときは足元を広々と使うことができ、状況に応じて「人優先」か「荷物優先」かを自在に切り替えられる柔軟性を持っています。ライバル車の中には、シートを取り外さないと広い空間が作れないモデルもありますが、ノアの8人乗りはレバー操作一つでこの空間を作り出せるのが大きな魅力ですね。
ノアの8人乗りは車中泊に最適で快適

近年、ブームを超えて一つのカルチャーとして定着しつつある「車中泊」。「ノアで車中泊を楽しみたい」「週末は家族でバンライフを送りたい」と考えているなら、迷わず8人乗りをおすすめします。その理由は、シートを倒してフルフラットモードにした際の「隙間のなさ」にあります。
7人乗りのキャプテンシートを倒してベッドモードにすると、構造上どうしても中央に通路分の大きな隙間ができてしまいます。また、サイドサポートの張り出しやオットマンの凹凸もあるため、そのまま寝ると背中が痛くなったり、寝返りを打った拍子に隙間に落ちそうになったりします。快適に寝るためには、隙間を埋めるための専用クッションや、厚手の板などを準備する必要があり、設営に手間がかかります。
しかし、8人乗りのベンチシートなら、2列目と3列目を倒すだけで一面がベッドのような空間になります。シート同士が密着するため、大きな隙間がほとんど生まれません。もちろん完全な水平ではなく多少の傾斜はありますが、市販の厚手のマットを一枚敷くだけで快適な就寝スペースが完成するのは8人乗りの特権です。設営の手間が少ないので、キャンプ場や道の駅に着いてすぐにリラックスタイムに入れます。
就寝定員としては、大人2名と小さなお子さん1名くらいが現実的な限界ですが、家族で「川の字」になって寝られるのはベンチシートならではの体験です。朝起きたときに体のあちこちが痛いということも少なく、翌日のアクティビティも元気に楽しめますよ。
ノア7人乗りのキャプテンシートの特徴

ノアの主役とも言える7人乗り仕様。その魅力はなんといっても、2列目シートの「特別感」と「独立性」です。まるで飛行機のビジネスクラスのような座り心地は、移動そのものを快適な時間に変えてくれます。
特に注目すべきは「ストレート超ロングスライド」機能です。3列目シートを跳ね上げた状態で2列目を後端までスライドさせると、足元に最大745mmものスペースが生まれます。これは、大柄な男性が足を組んでもまだ余裕があるほどの広さで、まるでリムジンのような開放感を味わえます。長距離ドライブでも足の疲れ方が全く違いますし、着替えや靴の履き替えなども余裕で行える広さです。
また、隣の人と肩が触れ合わない独立した空間は、心理的な快適さにもつながります。思春期のお子さんがいるご家庭では、「兄弟喧嘩が減った」という声もよく聞きますし、友人を乗せてのゴルフ旅行などでも、お互いに気を使わずにリラックスできます。アームレストもしっかり装備されているので、体を預けてゆったりとくつろげます。
上位グレードの「S-Z」を選べば、オットマン(2WD車)やシートヒーター、折りたたみ式大型サイドテーブルといった豪華装備がついてきます。これらは8人乗りではオプションでも選べないため、快適性を追求し、「移動するリビング」としてノアを使いたいなら「S-Zの7人乗り」一択になります。
このように、7人乗りは「乗る人全員の快適性」を最優先に設計されています。荷物を運ぶことよりも、人を運ぶことを重視するなら、キャプテンシートの満足度は非常に高いでしょう。
トヨタのノアは何人乗りを選ぶべきかグレード別に解説

ここからは、少し現実的な「グレード選び」の話をしましょう。実は2025年の改良によって、グレードと定員の組み合わせルールが以前よりも厳しくなっています。
「このグレードで8人乗りが欲しいのに設定がない!」なんてことにならないよう、最新の情報を整理してお伝えします。
新型ノアのグレード別定員設定の注意点
2025年9月の改良で最も衝撃的だったのは、標準ボディの「Z」および「G」グレードが廃止されたことです。これにより、グレード選びの地図が大きく変わりました。かつては「標準ボディで上級装備」という選択肢がありましたが、現在はエアロボディが中心のラインナップとなっています。
以下の表に、グレードごとの定員設定をまとめました。これを理解していないと、商談の最後に「えっ、選べないんですか?」となってしまうので要注意です。
| グレード | ボディタイプ | 7人乗り (キャプテン) | 8人乗り (ベンチ) | 特徴・ターゲット |
|---|---|---|---|---|
| S-Z | エアロ | 〇 | × | 最上級。豪華装備満載だが8人乗り設定なし。 |
| S-G | エアロ | 〇 | 〇 | バランス型。エアロ顔で8人乗りが選べる唯一のグレード。 |
| X | 標準 | 〇 | 〇 | エントリー。標準ボディ唯一の生き残り。 |
ここで最も重要なのは、最上級グレードの「S-Z」には8人乗りの設定が存在しないという点です。「一番いいグレードで、全部入りにして、8人乗りにしたい」という買い方は物理的にできません。もしエアロボディのカッコよさを求めつつ、8人乗りが絶対条件である場合は、必然的に一つ下の「S-G」グレードを選ぶことになります。
S-Gグレードでもプロジェクター式LEDヘッドランプなどのオプションを追加することで見た目はS-Zに近づけられますが、オットマンなどの快適装備は装着できません。この「装備」を取るか「定員」を取るかのトレードオフが、新型ノア選びの最大の悩みどころと言えるでしょう。
ノアに5人乗り仕様のグレードはある?

カタログの主要ページには載っていませんが、実は「5人乗り」という選択肢も存在します。これは「マルチユーティリティ(MU)」と呼ばれる2列シート仕様車や、モデリスタなどの特装車で見かける仕様です。
これは、3列目シートを最初から取っ払ってしまい、その分を床下収納や広大なラゲッジスペースに割り当てた特殊なモデルです。「普段は夫婦2人でしか乗らないし、後ろは全部趣味の荷物置き場にしたい」「本格的なキャンピングカーまではいらないけど、車中泊仕様にカスタムしたい」というニッチな需要に応える仕様ですね。
3列目シートがない分、車両重量が軽くなるメリットや、3列目の跳ね上げスペースが不要になることで後方視界がクリアになるメリットがあります。また、床下収納スペースを活用してサブバッテリーシステムを組むなど、DIYのベース車両としても人気があります。
もし「3列目なんて年に一回も使わない」と断言できるなら、こういった選択肢も検討の余地がありますが、リセールバリューや家族構成の変化を考えると、通常の7/8人乗りを買っておいて3列目を跳ね上げておく方が無難かもしれません。
ノア7人乗りでベンチシートは選べない

よくある質問に「7人乗りを選んで、2列目だけベンチシートにできないか?」というものがあります。「ウォークスルーはいらないけど、2列目に3人座らせたい。でも3列目はキャプテンがいい」といった要望や、「普段はキャプテンシートがいいけど、たまにベンチシートにしたい」という可変性を求める声です。
残念ながら、ノアにおいて「7人乗り=キャプテンシート」「8人乗り=ベンチシート」という組み合わせは固定されており、これを入れ替えたり、後から変更したりすることは構造上不可能です。シートの取り付け台座の形状や位置が全く異なるため、DIYでの交換も法規上・安全上の観点から推奨されません。
ライバル車である日産セレナには「スマートマルチセンターシート」という機能があり、キャプテンシート風とベンチシート風を行き来できるギミックを持っていますが、ノアにはそれがありません。その代わり、ノアのシートは可変ギミックがない分、クッションの厚みや座り心地、剛性感に優れているという強みがあります。
「迷ったらウォークスルーが必要かどうか」で判断すると、失敗が少なくなりますよ。
ノアのハイブリッドは何人乗りが選べる?

「ハイブリッド車だとバッテリーの関係で定員が制限されるのでは?」と心配される方もいますが、現行ノアではその心配は無用です。ハイブリッド車でもガソリン車と同様に、グレードに応じた定員選択が可能です。
一世代前のモデルや他車種では、「ハイブリッドの4WD(E-Four)は7人乗りしかない」といった制約があることもありましたが、現行ノアではS-GやXグレードであれば、ハイブリッドの2WDでもE-Fourでも、問題なく8人乗りを選ぶことができます。バッテリーは床下のデッドスペースに上手く収められており、居住空間やシートアレンジに悪影響を及ぼしていません。
燃費の良いハイブリッドで、かつ多人数乗車や車中泊もこなせる「S-G ハイブリッド(8人乗り)」は、実用性を重視するユーザーにとって最強のコスパモデルと言えるかもしれません。ガソリン代が高騰している昨今、大人数での遠出が多い家庭にとって、リッター20kmを超える燃費性能と8人乗りの輸送力は、家計の強い味方になってくれるはずです。
トヨタのノア何人乗りか決めたら一括査定

自分にぴったりのノアのグレードや定員が決まったら、いよいよ購入に向けて動き出すタイミングですね。ディーラーへ行って見積もりをもらうのが楽しみになってくる頃かと思います。でも、その前に一つだけ絶対にやっておくべきことがあります。それは「今乗っている車を適正価格で売ること」です。
多くの人は、新車の商談と同時に今の車をディーラーで下取りに出してしまいます。手続きが一本化できて楽なのは間違いありませんが、実は市場相場よりも数十万円安く手放してしまっているケースが非常に多いのです。ディーラーの下取り査定は、あくまで「新車販売の一環」であり、中古車買取のプロフェッショナル価格とは基準が異なります。
新車のノアは超人気車種だけに、値引き交渉もなかなかシビアです。「あと10万円安くならないかな…」と粘るよりも、今ある愛車を高く売って購入資金を増やす方が、はるかに簡単で確実です。
私がいつも友人に勧めているのが「ズバット車買取比較」での一括査定です。
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