憧れのアルファードを手に入れたいけれど予算や納期の関係でXグレードを検討しているという方は多いのではないでしょうか。でもインターネットで調べてみるとアルファードXは恥ずかしいとか貧乏といったネガティブな検索候補が出てきて不安になってしまうこともありますよね。
せっかく高い買い物をするのにダサいと思われたり後悔したりするのは絶対に避けたいものです。私自身もグレード選びには本当に悩みましたし周囲の目が気になってしまう気持ちは痛いほどよくわかります。
しかし詳しく調べてみるとXグレードには上位モデルにはない隠れたメリットがたくさんあることがわかってきました。
記事のポイント☝️
- 外観の違いが生む意外な周囲の反応と見分け方のポイント
- 上位グレードよりもXグレードの方が乗り心地が良い理由
- 8人乗りベンチシートが子育て世代に最強である根拠
- 気になるリセールバリューと賢い買い方のアドバイス
アルファードのXグレードは恥ずかしいという誤解と見た目

まずは誰もが一番気にしている「見た目」の問題から切り込んでいきましょう。
Xグレードを選ぶと、周りから「安いグレードに乗っている」とバレてしまうのではないか、それが恥ずかしいことなのか、という点について私なりの視点で解説しますね。
Xと上位グレードの見分け方とグリルの差

アルファードといえば、あの迫力あるフロントグリルが代名詞ですよね。実は30系までのモデルでは、エアロボディ(S系)と標準ボディ(X系)で顔つきに明確な違いがありました。エアロボディがメッキを多用した「オラオラ系」の迫力を前面に出しているのに対し、標準ボディのXグレードは少し控えめで大人しいデザインになっています。
街中で見かけるアルファードの多くがエアロボディであるため、標準ボディのグリルを見ると「あれ?なんか違うな」と気づく人は確かにいます。特に車好きやアルファードオーナー同士であれば、一目でグレードの違いを見分けることができるでしょう。
ただ、これは「恥ずかしい」というよりも「好みの違い」と捉えることもできます。ギラギラした威圧感が苦手で、あえて標準ボディの上品さを好む人もいますし、法人利用や送迎車としては、むしろXグレードのデザインの方が落ち着いていて好印象を与えるケースも多いんですよ。
16インチのタイヤはダサいと言われる理由

もう一つ、見た目で大きく異なるのが足元、つまりタイヤとホイールのサイズです。上位グレードが18インチや19インチの大きなホイールを履いて「踏ん張り感」を出しているのに対し、30系Xグレードは基本的に16インチ(ハイブリッドや一部年式で17インチ)のアルミホイールが装着されています。
車を横から見たとき、ホイールが小さくてタイヤの黒いゴム部分(厚み)が分厚く見えるため、視覚的にどうしても「商用車っぽい」「実用車っぽい」という印象を与えてしまいがちです。これが一部の人から「ダサい」と言われてしまう最大の要因かなと思います。
ホイールのインチアップについて 見た目がどうしても気になる場合は、購入後にホイールだけ社外品の大きなサイズに交換するという手もあります。これだけで見た目の印象はガラッと変わりますよ。
Xグレードの内装や装備は本当に貧相か

「エントリーグレードだから内装もペラペラなんじゃないか?」と心配される方もいるかもしれませんが、そこはさすが天下のアルファード。腐っても(失礼!)高級ミニバンです。Xグレードであっても、基本的な質感は国産ミニバンの中でトップクラスです。
確かに、最上級のExecutive Loungeに比べれば、シートの素材が本革ではなくファブリック(布)だったり、木目調パネルの柄が違ったりといった差はあります。スマートキーの質感が少しベースグレードっぽさを感じさせる部分もあるかもしれません。しかし、実際に座ってみると「とにかく広い!」「これのどこが不満なの?」と感じる人が大半ではないでしょうか。
特に3列目シートに関しても、Xグレードだからといって手抜きされているわけではありません。しっかりと肘置きがついていますし、ヘッドレストも装備されています。「乗せられる人が我慢するグレード」では決してないので安心してください。
エントリーモデルに乗るのは貧乏人なのか

ネット上の心無い書き込みで「Xに乗るのは無理して買った貧乏人」なんて言葉を目にすることがありますが、これは大きな間違いだと私は思います。そもそもアルファードという車自体、エントリーグレードであっても車両本体価格は数百万円する高級車です。一般的な感覚で見れば、それを所有できるだけで十分に経済力がある証拠ですよね。
それに、あえてXグレードを選んでいる人の中には、この後で紹介する「実用性」を重視して賢く選んでいる方や、法人で複数台所有しているケースも多々あります。グレードの違いだけで所有者の経済状況を決めつけるのは、少しナンセンスかなと思います。
Xを選んで後悔するケースと満足する人

では、実際にXグレードを買って後悔するのはどんな人でしょうか。それはズバリ、「見た目の威圧感や優越感を最優先にしたい人」です。もしあなたが、隣に並んだ上位グレードのアルファードを見て「あっちの方がカッコいいな…」と嫉妬してしまうタイプなら、頑張って上位グレードを狙った方が精神衛生上良いかもしれません。
Xグレードで満足できるのはこんな人
- 見た目の派手さよりも、日々の使い勝手を重視する人
- 家族や子供の快適性を第一に考えたい人
- カスタムベースとして安く手に入れたい人
- 予算を抑えつつ、アルファードという広い空間を手に入れたい人
アルファードのXは恥ずかしい。という評価を覆す機能性

ここからは、Xグレードが単なる「安いグレード」ではない、むしろ「プロが選ぶ通なグレード」である理由を深掘りしていきます。
実は機能面で見ると、Xグレードこそが最強かもしれないんです。
乗り心地は上位よりXグレードが良い事実

これは意外と知られていない事実なのですが、乗り心地に関しては、19インチを履いた上位グレードよりも、16インチや17インチのXグレードの方が良いという意見が非常に多いんです。
理由は物理的に明確です。ホイールが大きくなるとタイヤのゴム部分(サイドウォール)が薄くなり、路面のガタガタを吸収しきれずに車内に「突き上げ感」として伝えてしまいます。一方でXグレードの分厚いタイヤは、そのゴムと空気の層がクッションの役割を果たしてくれます。
オーナーさんのレビューでも「ふわふわした乗り味で快適」「ロードノイズが抑えられていて静か」といった高評価が目立ちます。特に後席に乗る家族が車酔いしやすい場合や、小さな赤ちゃんがいるご家庭にとっては、見た目のカッコよさよりも、この「角のない柔らかな乗り心地」の方が圧倒的に価値があるはずです。
8人乗りのベンチシートが持つ意外な魅力

アルファードの上位グレードは基本的に「7人乗り(2列目がキャプテンシート)」ですが、Xグレードには「8人乗り(2列目がベンチシート)」の設定があります。実はこれこそが、Xグレードを選ぶ最大のメリットと言っても過言ではない「隙間産業」的な需要なんです。
キャプテンシートは確かに豪華ですが、シートの間に隙間があるため、オムツ替えやちょっとしたお世話をするのには不便なことがあります。しかしベンチシートなら、座面がフラットに繋がっているので、停車中に子供をゴロンと寝かせたり、オムツを替えたりする「走るベッド」として大活躍します。
さらに、シートを倒した時に隙間のない広大な空間が生まれるため、車中泊を楽しみたいユーザーや、大量の荷物を積みたい人にとっては8人乗りの方が圧倒的に便利なんです。この使い勝手の良さを知って、あえてXグレードを指名買いするパパママも多いんですよ。
気になるリセール価格と輸出需要の真実

「安いグレードを買うと、売る時に二束三文になるんじゃないか?」という心配もありますよね。結論から言うと、アルファードは海外(特にマレーシアやケニアなど)での人気が凄まじいため、Xグレードであってもリセールバリューは非常に高い水準を維持しています。
| 項目 | Xグレードの特徴 | リセールへの影響 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 最も安価 | 購入価格に対する残価率は高い傾向 |
| 海外需要 | 新興国で人気 | 道路事情が悪い国では厚いタイヤが好まれる |
| 注意点 | 装備差 | サンルーフやエアロが無い分、爆発的高値にはなりにくい |
特に道路事情があまり良くない国では、故障リスクが低く乗り心地が良い16インチや17インチタイヤのモデルが、実用的な高級タクシーとして重宝される傾向があります。ただし、輸出相場はタイミングによって変動しますし、サンルーフの有無が価格に大きく響くこともあるので、売却時期の見極めは重要ですね。
新型40系の納期とXグレードの希少価値

現行モデルである40系アルファードに関しては、状況が少し特殊です。発売当初は上位グレードが優先され、Xグレードはかなり遅れての投入(あるいは一般販売開始)というスケジュール感になっています。そもそもアルファード自体が超人気で手に入らない状況が続いているため、「グレードを選り好みする余裕がない」というのが本音かもしれません。
そのため、40系においては「Xグレード=廉価版」という認識よりも、「最新のアルファードを手に入れられた幸運な人」というステータスの方が上回ります。また、今後PHEVなどの環境性能が高いモデルがXグレードにも設定される動きがあり、単なるエントリーグレードではなく「プロ仕様」としての立ち位置を確立しつつあります。
アルファードのXグレードは恥ずかしい車ではない
ここまで見てきたように、アルファードのXグレードは決して「恥ずかしい車」ではありません。むしろ、見栄を張るためのエアロや大径ホイールをあえて捨てて、「家族のための最高の乗り心地」と「圧倒的な使い勝手」、そして「経済的な合理性」を選択した、非常に賢い大人の車だと言えます。
「アルファードのXグレードは恥ずかしいかな…」と不安になっていた方も、自信を持ってXグレードを選んでいいと思いますよ。周りの目よりも、実際に乗るあなたやご家族が笑顔で快適に過ごせることの方が、何倍も大切ですからね。

