日産セレナのLUXION(ルキシオン)について気になっているけれど、その価格の高さや具体的な特徴、燃費性能について詳しく知りたいという方は多いのではないでしょうか。
最上級グレードとして設定されたLUXIONは、プロパイロット2.0によるハンズオフ走行など魅力的な機能が満載ですが、一方で内装の質感や実際の維持費がどうなのかも購入前にしっかり確認しておきたいポイントです。
この記事では、カタログだけでは分かりにくいメリットやデメリット、ライバル車との比較まで、私自身の視点で分かりやすく解説していきます。
この記事のポイント☝️
- LUXIONだけの特権であるハンズオフ機能の条件と実用性
- 購入後に必ず発生する高額なサブスクリプション費用の詳細
- ハイウェイスターVやヴォクシーなど競合車とのコスパ比較
- 実際の納期やリセールバリューを含めた賢い購入戦略
日産セレナのLUXIONの価格と特徴
まずは、セレナのラインナップの中でも一際異彩を放つ「LUXION」が、具体的にどのような車なのかを見ていきましょう。約480万円という価格設定は伊達ではなく、そこには日産が誇る最新技術が詰め込まれています。
ここでは、その核心となる機能や走行性能について深掘りします。
プロパイロット2.0の機能と条件
LUXION最大の特徴といえば、なんといっても「プロパイロット2.0」の標準装備です。これは、高速道路の同一車線内で、特定の条件下においてステアリングから手を離す「ハンズオフ走行」を可能にする先進技術です。
実際に高速道路を使って遠出をする機会が多い私にとって、この機能は革命的だと感じました。ナビで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとシステムが作動可能になります。条件が整えば、メーターの表示が青色に変わり、ハンドルから手を離してリラックスした状態で走行できるんです。
ハンズオフができる主な条件
- 高速道路や自動車専用道路の同一車線内であること
- 高精度地図データが整備されている区間であること
- ドライバーが常に前方を注視していること（ドライバーモニターで監視されます）
- 法定速度内（設定により上限あり）で走行していること
ただし、「いつでも手放しができるわけではない」という点は正しく理解しておく必要があります。例えば、GPSが届かないトンネル内や、対面通行の区間、複雑な合流地点などでは機能が制限され、ドライバーがハンドルを握る必要があります。
これは自動運転レベル3ではなく、あくまで「運転支援（レベル2）」の延長です。システムから操作を求められたら、即座にハンドルを握れる体勢でいることが必須条件となります。
LUXIONの内装や装備の魅力
内装に関しても、LUXIONは最上級グレードにふさわしい特別感があります。特に目を引くのは、ダッシュボード周りの先進的なデザインです。ヘッドアップディスプレイが標準装備されており、視線を大きく動かすことなく速度やナビ情報を確認できるのは、安全運転に大きく寄与します。
また、個人的に便利だと感じたのが駐車支援機能です。「プロパイロット パーキング」にはメモリー機能がついており、自宅の駐車位置を記憶させることができます。さらに、キーを使って車外から車を出し入れできる「プロパイロット リモート パーキング」も搭載。狭い駐車場でドアが開けにくい時や、荷物の積み下ろしを先にしたい時には非常に重宝します。
一方で、センターコンソール周りの収納スペースについては「意外と少ない」という声も聞かれます。先進的なデザインとのトレードオフかもしれませんが、家族で使う場合の小物入れの場所などは、実車で確認しておきたいポイントです。
LUXIONの燃費と実燃費の評判
先進装備満載のLUXIONですが、気になるのは燃費性能です。カタログ上のWLTCモード燃費は18.4km/Lとなっています。
実はこれ、売れ筋グレードである「ハイウェイスターV」の19.3km/Lと比較すると、約0.9km/Lほど悪化しています。理由は明確で、多くのセンサーや装備を搭載したことによる車両重量の増加（約40kg増）が影響しているんですね。
実燃費においても、高速道路での巡航では伸びる傾向にありますが、ストップ＆ゴーの多い街乗りでは重量の影響を受けやすいと言えます。「e-POWER」特有の効率の良い発電制御があるとはいえ、燃費最優先で選ぶ車ではないかもしれません。
必須となるサブスク維持費の注意点
LUXIONを購入検討する上で、絶対に避けて通れないのが「維持費」の問題です。ここで言う維持費とは、ガソリン代や税金のことだけではありません。
プロパイロット2.0の機能を維持するためには、高精度地図データを常に最新の状態にする必要があり、そのための通信サービス「NissanConnect」への加入が事実上必須となります。
プロパイロットプラン+ のコスト
年間利用料：25,520円（税込）
一般的なコネクテッドサービスのプランが年間約8,000円程度であることを考えると、この金額はかなり高額です。もし10年間乗り続けるとすれば、このサービス料だけで約25万円以上の追加コストが発生することになります。
契約を更新しないという選択肢もありますが、その場合、LUXIONの最大の売りである「ハンズオフ機能」が使えなくなってしまいます。車両価格だけでなく、このランニングコストも予算に組み込んでおくことが重要です。
専用タイヤと乗り心地の評価
乗り心地に関しては、LUXIONは非常に高い評価を得ています。その理由の一つが、タイヤのチョイスです。一般的なミニバンには燃費重視のエコタイヤが装着されることが多いですが、LUXIONにはブリヂストンの「TURANZA（トランザ）」という、ツーリング性能を重視したタイヤが採用されているようです。
これにより、ロードノイズが抑えられ、直進安定性も向上しています。さらに、発電用エンジンが1.4Lに排気量アップされたことで、エンジンの始動頻度が減り、唸るような音も抑制されています。「まるで高級車のような静けさ」という評判も、あながち言い過ぎではないと感じました。
日産セレナのLUXIONを他グレードや他車種と比較
LUXIONの性能が素晴らしいことは分かりましたが、実際に購入するとなると「本当に自分に合っているのか？」「他車と比較してどうなのか？」という点が気になりますよね。
ここからは、競合車との比較や市場動向を交えて、賢い選び方を解説します。
ハイウェイスターVとの違いを比較
まず迷うのが、同じセレナ内の人気グレード「e-POWER ハイウェイスターV」との比較でしょう。価格差は約100万円ありますが、その価値はあるのでしょうか。
| 比較項目 | LUXION | ハイウェイスターV |
|---|---|---|
| 車両本体価格 | 約480万円 | 約370〜400万円 |
| プロパイロット | 2.0 (ハンズオフ可) | 通常版 (ハンズオン) |
| HUD | 標準装備 | 設定なし/OP |
| タイヤ | 高機能タイヤ | 標準エコタイヤ |
結論として、「高速道路での移動頻度」が分かれ道になります。週末ごとの遠出や帰省で高速道路を多用し、「運転の疲れをお金で解決したい」と考えるなら、100万円の差額を払ってでもLUXIONを選ぶ価値は十分にあります。
逆に、日常の買い物や子供の送迎がメインで、高速道路は年に数回程度という方であれば、ハイウェイスターVの方が経済的にも満足度は高いはずです。
ライバル車ヴォクシー等との比較
次に、永遠のライバルである「トヨタ ヴォクシー」や「ホンダ ステップワゴン」との比較です。ここでは、LUXIONが劣っている点も正直にお伝えします。
競合車と比較した際のデメリット
- 燃費性能：ヴォクシーのハイブリッド（S-Z）はWLTCモードで23.0km/Lを叩き出しており、LUXION（18.4km/L）は大差をつけられています。
- 価格：ステップワゴンの最上級グレード「SPADA PREMIUM LINE」と比較しても、LUXIONは約95万円も高額です。
- 4WD性能：LUXIONは基本的にFF（前輪駆動）ベースです。ヴォクシーのようにハイブリッドで強力な電気式4WD（E-Four）を選べるわけではないため、雪国の方は注意が必要です。
コストパフォーマンスや燃費、雪道での走破性を最優先するなら、ヴォクシーやステップワゴンに軍配が上がります。LUXIONが勝てるのは、やはり「プロパイロット2.0」という唯一無二の先進技術に価値を見出せるかどうかに尽きます。
LUXIONの最新納期情報
新車の購入で気になる納期ですが、2024年8月時点での情報によると、e-POWER LUXIONは1〜2.5ヶ月程度での納車が可能となっているようです。
昨今の自動車業界では、半導体不足の影響で半年〜1年待ちも珍しくありません。特にライバルのトヨタ系ハイブリッド車が長納期化している中で、この早さは大きなアドバンテージです。「車検が近い」「家族が増えるタイミングに間に合わせたい」という方にとって、この納期の早さは魅力的な選択肢になるでしょう。
※納期は地域や販売店の在庫状況によって変動します。正確な情報は必ずディーラーでご確認ください。
中古車価格やリセールの傾向
高額な車両だからこそ、手放す時の価格（リセールバリュー）も気になるところです。現状、LUXIONの中古車流通量はハイウェイスターVに比べて少なく、価格も高止まりしている傾向にあります。
一般的に、高額なオプション装備は売却時にプラス査定されにくいと言われますが、LUXIONの場合は「プロパイロット2.0」がグレード固有の機能であるため、指名買いの需要が見込めます。そのため、将来的なリセールバリューは比較的底堅いと予想されます。
ただし、購入時にディーラーでの下取りを利用する場合は要注意です。ディーラー査定は低めに出ることが多いため、高額なLUXIONを買うなら、下取り車は買取専門店などでしっかり比較することをおすすめします。
日産セレナの最上級グレードLUXIONの総まとめ
日産セレナのLUXIONは、単なるファミリーカーの枠を超えた、技術の粋を集めた一台です。約480万円という価格や、毎年のサブスク費用は決して安くはありませんし、燃費面ではライバルに譲る部分もあります。
しかし、「移動時間を、ただの運転作業から自由な時間に変える」という価値は、他のミニバンでは絶対に得られない体験です。長距離ドライブの疲労を極限まで減らし、家族との時間をより楽しみたいと願うアクティブな方にとって、LUXIONは間違いなく最高のパートナーになるはずです。
ぜひ一度、お近くのディーラーでその先進性を体感してみてください。
