トヨタのミドルサイズミニバンとして、ファミリー層を中心に絶大な支持を得てきたヴォクシー。
特に3代目となる80系は、中古車市場でもいまだに高い人気を誇ります。
しかし、いざ購入を検討しようとすると、ヴォクシー80系は前期と後期でどんな違いがあるのか。という点が大きな疑問になるのではないでしょうか。前期型と後期型では、デザインや装備に細かな違いがあり、どちらを選ぶかで使用感や満足度が大きく変わってきます。
この記事では、年式からの前期型・後期型の見分け方などの基本的な情報から、内外装のデザイン、快適装備の違いを徹底的に比較します。さらに、人気の特別仕様車である煌や煌2、燃費に優れたハイブリッドモデル、そしてあなたに最適なおすすめグレードの選び方まで、購入前に知っておきたい情報を網羅しました。
もちろん、燃料タンク容量といった維持に関わるスペックにも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること☝️
- 前期モデルと後期モデルの具体的な違い
- グレードや人気の特別仕様車「煌」の特徴
- 中古車選びで失敗しないためのチェックポイント
- 燃費やスペックなど購入後の維持に関する情報
80系ヴォクシーの前期と後期での違いを外観と内装で解説

- ヴォクシーの前期型は何年式から?
- 後期型は何年式からマイナーチェンジ?
- フロントとリアで異なるデザイン
- 内装のカラーと質感の進化
- 後期から追加された便利な快適装備
ヴォクシーの前期型は何年式から?
ヴォクシー80系の前期型は、2014年1月から2017年7月まで販売されたモデルを指します。
70系からフルモデルチェンジを果たし、「I am a Father,」というキャッチフレーズと共に、カッコいい父親像をイメージさせるスタイリッシュなミニバンとして登場しました。
この前期型は、シャープなヘッドライトと大型グリルを組み合わせた「毒気のあるカッコよさ」を追求したデザインが特徴です。中古車市場では価格がこなれてきており、コストを抑えつつ80系ヴォクシーを手に入れたい方にとって魅力的な選択肢となっています。
ヴォクシー80系 前期型
後期型は何年式からマイナーチェンジ?

ヴォクシー80系の後期型は、2017年7月のマイナーチェンジ以降、2021年9月頃まで販売されたモデルです。
このマイナーチェンジにより、内外装のデザインがより洗練され、快適装備や安全装備が大幅に進化しました。
特にエクステリアの変更点は大きく、より先進的でアグレッシブな印象を強めています。また、クルーズコントロールが全車標準装備になるなど、運転支援機能も充実しました。前期型に比べて中古車価格はやや高めですが、その分、装備の充実度や内外装の質感に満足できるモデルといえるでしょう。
ヴォクシー80系 後期型
フロントとリアで異なるデザイン

前期型と後期型を見分ける最も分かりやすいポイントが、エクステリアデザインです。特にフロントマスクの印象は大きく異なり、後期型はより迫力と上質感を増しています。
街で見かけたヴォクシーが前期か後期か、顔つきを見れば一目で分かりますね!
具体的にどの部分が変更されたのか、フロントとリアに分けて詳しく見ていきましょう。
フロントデザインの変更点
フロント部分の主な変更点は、ヘッドライトとフロントグリルのデザインです。
項目 | 前期型 | 後期型 |
---|---|---|
ヘッドライト | プロジェクター1灯式が基本 | 上下2段構えのシャープなデザインに進化。 Bi-Beam LEDヘッドランプを標準装備し、ハイビームもLED化。 |
フロントグリル | 比較的シンプルなメッキグリル | よりワイドで立体的な造形に。 エアログレード「ZS」では、さらにアグレッシブなデザインを採用。 |
フォグランプ | ハロゲンが基本(一部グレード除く) | LEDフロントフォグランプを標準装備(Xグレード除く)。 |
後期型はLEDを多用することで、夜間の視認性が向上しただけでなく、見た目も一気に近代的な印象になりました。
リアデザインの変更点
リアデザインも、テールランプを中心に変更が加えられています。
項目 | 前期型 | 後期型 |
---|---|---|
テールランプ | 四角形のマスが積み重なったデザイン | 横長の先進的なデザインに変更。 ブレーキランプの点灯パターンも変わり、視認性が向上。 |
リアガーニッシュ | 比較的シンプルなデザイン | ワイド感を強調するデザインに変更。 |
後期型は、リアビューもよりスタイリッシュに進化しており、後ろ姿からも高級感が感じられます。
内装のカラーと質感の進化

エクステリアだけでなく、インテリアの質感も後期型で大きく向上しています。毎日触れる部分だからこそ、内装の違いは満足度に直結する重要なポイントです。
主な変更点は以下の通りです。
天井カラーの変更
後期型では、天井のカラーがブラックに統一されました(Xグレードを除く)。前期型はライトグレーだったため、後期型は室内全体に引き締まった印象と高級感が生まれています。これにより、車内に統一感が生まれ、落ち着いた空間を演出しています。
内装パネルのピアノブラック化
シフト周りのセンタークラスターパネルや、パワーウィンドウスイッチのパネルなどが、光沢のあるピアノブラック塗装に変更されました。前期型の樹脂パーツに比べて格段に質感がアップし、上質な室内空間に貢献しています。
ピアノブラックの注意点
高級感がある一方で、指紋やホコリ、細かい傷が目立ちやすいというデメリットもあります。綺麗な状態を保つためには、こまめな手入れが必要になる点を覚えておきましょう。
後期から追加された便利な快適装備

後期型では、日常の使い勝手を向上させる便利な機能が多数追加・標準装備化されました。これらの装備の有無は、特にファミリーユースでの快適性を大きく左右します。
小さな子供がいると、こういうちょっとした機能が本当に助かるんですよね!
主な追加・変更装備
- 助手席シートバックテーブル:後期型から助手席の背面に、カップホルダー付きの折りたたみテーブルが設置されました。後部座席でのお子様の飲食時などに非常に便利です。
- 充電用USB端子:センターコンソール下部に、従来のアクセサリーソケットに加え、充電用のUSB端子が2つ標準装備されました。スマートフォンやタブレットの充電が手軽にできるようになり、現代のニーズに対応しています。
- パワースライドドア予約ロック機能:パワースライドドアが閉まりきるのを待たずに、ドアハンドルのセンサーに触れるだけでロックを予約できる機能です。雨の日や荷物で両手がふさがっている時に非常に重宝します。
- バックドアイージークローザー:バックドアが半ドアの状態でも、自動的に閉めてくれる機能です。前期型はバックドアが重く、半ドアになりやすいという声もあったため、この機能の追加は特に女性や力の弱い方にとって嬉しいポイントです。
- クルーズコントロール:前期では一部グレードのみの装備でしたが、後期からは全グレードで標準装備となりました。高速道路などでの長距離運転時の疲労を大幅に軽減してくれます。
購入前に知る80系ヴォクシーの前期型と後期型の違い

- 中古市場でも衰えない人気の理由
- 特別仕様車の煌と煌2の違い
- ハイブリッドモデルの静粛性と燃費
- 用途に合わせたおすすめグレード
- 燃料タンク容量と航続距離の目安
- まとめ!80系ヴォクシーの前期型と後期型の違い
中古市場でも衰えない人気の理由

ヴォクシー80系は、生産終了から数年が経過した現在でも、中古車市場で非常に高い人気を維持しています。その理由はどこにあるのでしょうか。
最大の理由は、デザイン性、使い勝手、信頼性のトータルバランスが極めて高い点にあります。スタイリッシュで飽きのこないデザインは、ファミリーカーでありながら「カッコよさ」を求める層に強くアピールします。
また、広大な室内空間や多彩なシートアレンジ、乗り降りのしやすい低床設計など、ミニバンとしての基本性能が非常に優れている点も大きな魅力です。
3兄弟合わせると販売台数No.1?
ヴォクシーには、ノア、エスクァイアという基本設計を共有する兄弟車が存在します。この3車種の販売台数を合計すると、一時期はプリウスをも上回り、実質的な国内販売台数トップになったこともあるほど、市場から絶大な支持を受けていました。
これらの要素に加え、トヨタブランドが持つ高い信頼性や耐久性、豊富なカスタムパーツの存在も人気を後押ししています。そのため、ヴォクシー80系は中古車になっても価値が下がりにくく、リセールバリューが期待できる一台と言えるのです。
特別仕様車の煌と煌2の違い

ヴォクシーの購入を検討する上で絶対に外せないのが、大人気の特別仕様車「煌(きらめき)」シリーズです。エアログレードの「ZS」をベースに、内外装に特別な加飾や人気の高い装備を追加した、非常にお得感のあるモデルです。
「煌」は前期・後期ともに設定されており、さらに装備を充実させた「煌Ⅱ」、後期モデルの最終版として「煌Ⅲ」も存在します。主な特徴は、エクステリアの随所に施されたメッキ加飾です。
主な特別装備(例) | 内容 |
---|---|
エクステリア加飾 | フロントグリル、ドアミラー、ドアハンドルなどにメッキパーツを追加し、より華やかで高級感のある外観に。 |
両側パワースライドドア | ベースのZSではオプション設定の運転席側パワースライドドアが標準装備に。 |
LEDルームランプ | 後期「煌」シリーズでは、室内灯がLEDになり、より明るく先進的な印象に。 |
スーパーUVカットガラス | 紫外線(UV)と赤外線(IR)をカットする高機能ガラスを装備し、車内の快適性を向上。 |
専用シート表皮(煌Ⅲ) | 後期最終モデルの「煌Ⅲ」では、合成皮革を組み合わせた豪華なシートが採用された。 |
同じZSでも「煌」は存在感が違いますね!中古車で狙うなら、装備が充実していて満足度の高い「煌」シリーズは本当におすすめです。
このように、「煌」シリーズは見た目の豪華さだけでなく、実用的な装備も充実しているため、中古車市場でも非常に人気が高くなっています。少し予算を上乗せしてでも、探す価値のあるグレードと言えるでしょう。
ハイブリッドモデルの静粛性と燃費

ヴォクシー80系には、ガソリン車に加えてハイブリッドモデルもラインナップされています。維持費を重視する方や、上質な乗り心地を求める方にとって、ハイブリッドモデルは非常に魅力的な選択肢です。
最大のメリットは、やはり優れた燃費性能です。1.8Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、静かでスムーズな走りを実現します。
燃費性能の比較(JC08モード)
- ハイブリッド車: 23.8 km/L
- ガソリン車(2WD): 16.0 km/L
(※グレードや駆動方式により数値は異なります)
モーターのみで走行するEVドライブモードでは、早朝や深夜の住宅街でも騒音を気にすることなく静かに走行できます。また、加速時にはモーターがエンジンをアシストするため、パワフルで滑らかな走り出しを体感できるのも特徴です。
ハイブリッドモデルの注意点
ガソリン車に比べて車両価格が高い点や、将来的に駆動用バッテリーの交換が必要になる可能性がある点は考慮しておく必要があります。また、ハイブリッドシステムを搭載するため、ガソリン車とは一部装備の仕様が異なる場合があります。
とはいえ、日々のガソリン代を抑えられるメリットは大きく、年間走行距離が多い方ほどその恩恵を感じられるでしょう。
用途に合わせたおすすめグレード

ヴォクシー80系には複数のグレードが存在し、それぞれ装備や特徴が異なります。自分の使い方や予算に合わせて最適なグレードを選ぶことが、購入後の満足度を高める鍵となります。
主なグレードの特徴
グレード | 主な特徴 | こんな方におすすめ |
---|---|---|
X | 装備をシンプルにしたベーシックグレード。7人乗りの他に、ヴォクシーで唯一8人乗りが選択可能(前期)。 | とにかく価格を抑えたい方、多人数での乗車機会が多い方。 |
V | 快適装備や安全装備を充実させた上級グレード。快適温熱シートなどを標準装備。 | 快適性や装備の充実度を重視する方、長距離運転が多い方。 |
ZS | 専用のエアロパーツを装着した最も人気のスポーティーグレード。「煌」シリーズのベースでもある。 | 見た目のカッコよさ、スタイリッシュさを重視する方。 |
迷ったら、リセールバリューも高い人気の「ZS」か、特別仕様車の「煌」を選んでおくと間違いないかもしれませんね!
後期モデルでは、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」が標準装備化されるなど安全性が向上していますが、グレードによって機能が異なる場合があります。中古車を選ぶ際は、年式だけでなく、どのグレードで、どのようなオプションが装備されているかをしっかりと確認することが重要です。
燃料タンク容量と航続距離の目安

車の使い勝手を左右する要素の一つに、燃料タンク容量があります。一度の給油でどれくらいの距離を走れるのかは、長距離移動が多い方にとっては特に気になるポイントでしょう。
ヴォクシー80系の燃料タンク容量は、パワートレインによって異なります。
燃料タンク容量
- ガソリン車(2WD/4WD): 55 L
- ハイブリッド車: 50 L
(参照:トヨタ自動車公式サイトの過去情報および各種カタログ情報)
このタンク容量とカタログ燃費(JC08モード)を基に、単純計算での航続距離の目安を算出すると以下のようになります。
- ガソリン車(2WD): 55L × 16.0km/L = 約880km
- ハイブリッド車: 50L × 23.8km/L = 約1,190km
航続距離はあくまで目安
上記の航続距離は、あくまでカタログ燃費に基づいた計算上の数値です。実際の燃費は、運転スタイルや道路状況、エアコンの使用などによって大きく変動するため、参考程度にお考え下さい。
ハイブリッドモデルは、一度の給油で1,000km以上の走行も可能な計算となり、給油の頻度を減らせるというメリットもあります。長距離ドライブや旅行によく出かける方にとっては、非常に心強い性能と言えます。
まとめ!80系ヴォクシーの前期型と後期型の違い
ここまでヴォクシー80系の前期型と後期型の違いについて、様々な角度から解説してきました。最後に、この記事の要点をリスト形式でまとめます。
- ヴォクシー80系前期型は2014年1月から2017年7月まで販売
- 後期型は2017年7月のマイナーチェンジ以降のモデル
- 後期型はフロントマスクやテールランプのデザインがより先進的に進化
- 内装は後期型で天井がブラックになりパネルもピアノブラック化され質感が向上
- 後期型にはシートバックテーブルやUSB端子など便利な快適装備が追加
- パワースライドドア予約ロックやバックドアイージークローザーも後期の魅力
- クルーズコントロールは後期から全車標準装備となり長距離運転が楽に
- デザインと使い勝手の良さから中古車市場でも高い人気を維持
- 特別仕様車「煌」はメッキ加飾や充実装備でさらなる高級感を演出
- 「煌」「煌Ⅱ」「煌Ⅲ」と進化し、装備内容が異なるため要チェック
- ハイブリッドモデルは優れた燃費性能と静粛性が大きなメリット
- グレードは価格重視の「X」、快適性の「V」、人気の「ZS」が基本
- 用途や予算に合わせて最適なグレードを選ぶことが重要
- 燃料タンク容量はガソリン車55L、ハイブリッド車50L
- 中古車を選ぶ際は年式、グレード、装備を総合的に確認することが大切