エスクァイアの中古車を検討している人の中には、「現在は生産終了してるし狙い目なのか?」と思っている人もいるでしょう。
エスクァイアは、上質なデザインや快適な乗り心地が魅力のミニバンだが、新車時には売れなかった理由がいくつか存在し、結果的に生産終了となった経緯がある。そのため、「人気がないのでは?」と感じる人もいるかもしれない。
しかし、中古エスクァイアのハイブリッドモデルは燃費性能が高く、維持費の面で優れた選択肢となることも事実だ。さらに、使い勝手の良さや運転しやすいかどうかといったポイントも、中古車選びでは重要になってくる。
また、中古車市場での値上がりの可能性や、購入後に買って後悔しないためのチェックポイントも押さえておきたいところだ。中古市場では、生産終了した車種の価値が安定しやすい傾向があるため、エスクァイアの今後の価格動向も気になるポイントとなるだろう。
本記事では、エスクァイアの中古車が本当に狙い目なのかを徹底解説する。メリット・デメリットを正しく理解し、納得のいく1台を選ぶための参考にしてほしい。
記事のポイント☝️
- エスクァイアが売れなかった理由や廃止された理由
- 中古市場の動向や値上がりの可能性
- 燃費や運転のしやすさなどの実用性
- 購入時の注意点や後悔しないためのポイント
エスクァイア中古は今が狙い目?購入前のポイント

- エスクァイアが売れなかった理由とは?
- 廃止される理由から見る中古市場の動向
- エスクァイアの燃費は中古でも優秀なのか?
- 運転しやすい?エスクァイアの乗り心地をチェック
- 中古価格は今後値上がりする?市場動向を解説
- エスクァイアを買って後悔するケースとは?
エスクァイアが売れなかった理由とは?

トヨタのエスクァイアは、ミドルクラスのミニバンとして登場しましたが、販売台数は期待ほど伸びませんでした。その理由はいくつかあります。
まず、兄弟車である「ノア」「ヴォクシー」との競合が大きな要因の一つです。エスクァイアは、これらと基本設計を共有しつつも、より高級感のあるデザインと装備を採用しました。しかし、ユーザー層がノアやヴォクシーと重なっていたため、選択肢が多い中でエスクァイアを選ぶ理由が明確にならなかったのです。
ノアやヴォクシーは長年のブランド力と知名度があり、安定した販売実績を誇る一方で、エスクァイアは「新参者」としての立ち位置に甘んじる形となりました。
また、価格設定が中途半端だったことも影響しています。エスクァイアは、ノアやヴォクシーよりも若干高めの価格帯でしたが、それほど大きな違いがあるわけではありませんでした。特に、トヨタのアルファードやヴェルファイアといった「本格的な高級ミニバン」と比較すると、エスクァイアの高級感は控えめで、中途半端なポジションになってしまったのです。
その結果、「もう少し頑張ってアルファードにする」「コストパフォーマンスでノア・ヴォクシーを選ぶ」という流れが生まれ、エスクァイアの魅力が埋もれてしまいました。
さらに、販売チャネルの影響も無視できません。エスクァイアは、もともとトヨタの「トヨペット店」でのみ販売されていました。これにより、トヨタの他のディーラーでは購入できず、販売機会が限定されてしまったのです。
現在ではトヨタの全店舗で全車種を扱うようになりましたが、エスクァイアが販売されていた当時は、この販売チャネルの制限が販路を狭める要因となっていました。
加えて、デザインの好みが分かれた点も影響しています。エスクァイアは「上質さ」を前面に打ち出したモデルであり、フロントグリルには大きなメッキパーツを採用していました。しかし、このデザインは万人受けするものではなく、「派手すぎる」「高級感があるけどファミリーカーとしては使いづらい」といった声もありました。
結果として、よりシンプルなデザインのノアやヴォクシーのほうが選ばれるケースが多かったのです。
このように、エスクァイアは商品としての魅力が決して低かったわけではありませんが、市場でのポジションが曖昧になり、販売台数を伸ばせなかったと考えられます。中古市場においても、こうした背景を理解しておくことで、選び方の参考になるでしょう。
廃止される理由から見る中古市場の動向

エスクァイアは、2021年のタイミングで廃止されました。これは、単なる販売不振だけが理由ではなく、トヨタの販売戦略の大きな転換が関係しています。この廃止の背景を理解することで、中古市場の動向を予測することができます。
まず、ノアとヴォクシーの統合強化がエスクァイア廃止の大きな要因となりました。エスクァイアはもともと、ノア・ヴォクシーの「上質版」として設定されていました。しかし、ノアやヴォクシー自体が近年、装備やデザインの面で高級感を増してきたため、エスクァイアの存在意義が薄れていきました。
トヨタとしても、ラインナップをシンプルにすることで販売の効率化を図りたかったため、ノア・ヴォクシーに一本化する形でエスクァイアを廃止したのです。
また、トヨタの全車種販売制度の導入も大きな影響を与えました。以前は、エスクァイアがトヨペット店専売だったのに対し、現在はトヨタの全店舗でどの車種も購入できるようになりました。これにより、エスクァイアをわざわざ残す必要がなくなり、ノア・ヴォクシーとの統合が進んだのです。
では、こうした背景を踏まえたとき、中古市場の動向はどうなるのでしょうか?
結論から言えば、エスクァイアの中古車価格は今後安定しやすいが、値上がりの可能性は低いと考えられます。生産終了した車種は、一部のモデルでは中古市場でプレミア価格がつくことがあります。しかし、エスクァイアの場合、もともとの販売台数が少なかった上に、ノア・ヴォクシーとほぼ同じ仕様で代替車が容易に手に入るため、大きな値上がりは見込めません。
ただし、ハイブリッドモデルは比較的安定した人気を維持する可能性があります。これは、ミドルクラスのミニバン市場でハイブリッド車の需要が高まっているためです。特に、燃費性能を重視するユーザーにとっては、エスクァイアのハイブリッドは手頃な価格で高級感を備えた選択肢となり得ます。
一方で、ガソリンモデルの価格は下落しやすい傾向にあります。ハイブリッドと比べると燃費性能が劣るため、ガソリン価格の変動によっては需要が低下する可能性があります。特に、ノア・ヴォクシーの新型モデルが登場したことで、旧型のガソリン車は相対的に選ばれにくくなるでしょう。
総じて、エスクァイアの中古市場は、「安定しているが大きな値上がりは期待できない」という状況です。特に、ハイブリッドモデルを狙うのであれば、価格の変動を見ながら適切なタイミングで購入するのが良いでしょう。
エスクァイアの燃費は中古でも優秀なのか?

エスクァイアはトヨタのミドルクラスミニバンとして登場し、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの2種類がラインナップされていました。特に、ハイブリッドモデルは燃費性能に優れていることで知られており、エコ志向のユーザーから一定の支持を受けていました。しかし、中古車市場においてもエスクァイアの燃費は優秀なのでしょうか?ここでは、その実力を詳しく見ていきます。
まず、エスクァイアのカタログ燃費(WLTCモード)を確認すると、ガソリンモデルは約14~15km/L、ハイブリッドモデルは約23~25km/Lとされています。特にハイブリッドモデルは、同クラスのミニバンの中でもトップクラスの燃費性能を誇り、燃料コストを抑えられるのが大きな魅力です。
しかし、実際の燃費は中古車の状態や使用環境によって変動します。特に、中古車の場合はバッテリーの劣化やエンジンのコンディションによってカタログ値より燃費が低下する可能性があります。
ハイブリッドモデルの場合、バッテリーの寿命は10年または20万km程度とされていますが、劣化が進んでいると燃費の低下が顕著になることがあります。そのため、中古車を購入する際には、バッテリーの状態をしっかり確認することが重要です。
また、走行環境によっても燃費に違いが出る点にも注意が必要です。例えば、街乗りメインで信号が多い環境では、ストップ&ゴーが頻繁に発生するため、ガソリン消費が増えてしまいます。一方、高速道路での長距離走行が多い場合は、一定速度で走行できるため、比較的燃費が良くなります。
ハイブリッド車は特に市街地走行での燃費が優れていますが、バッテリーの充放電の影響を受けやすいため、短距離走行ばかりだと燃費が落ちることもあります。
中古車の燃費を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。オイル交換やタイヤの空気圧管理はもちろんのこと、ハイブリッドモデルでは補機バッテリーや駆動用バッテリーのチェックも欠かせません。特に、劣化したバッテリーは交換費用が高額になるため、購入時にしっかり確認しておくべきポイントです。
総じて、エスクァイアの燃費性能は中古車でも比較的優秀な部類に入ると言えます。ただし、ハイブリッドモデルを選ぶ場合はバッテリーの状態、ガソリンモデルを選ぶ場合はエンジンのコンディションをしっかり確認することが重要です。購入後も適切なメンテナンスを行うことで、燃費の良さを長く維持することができるでしょう。
運転しやすい?エスクァイアの乗り心地をチェック

エスクァイアはミドルクラスのミニバンとして設計されており、快適な乗り心地と運転のしやすさを両立しているモデルです。しかし、実際のところ、エスクァイアは運転しやすいのか?また、乗り心地はどのような特徴があるのか?ここでは、そのポイントを詳しく解説します。
まず、エスクァイアの運転のしやすさについてですが、車体のサイズは全長約4.7m、全幅約1.7mと比較的コンパクトな部類に入ります。そのため、大型ミニバンと比べると、狭い道でも取り回しがしやすく、駐車場でも苦労することが少ないでしょう。
特に、最小回転半径が5.5m前後と比較的小回りが利く設計になっているため、街中の運転でもストレスを感じにくい点は大きなメリットです。
また、運転支援機能の充実もエスクァイアの運転しやすさを後押ししています。トヨタの「Toyota Safety Sense」が搭載されており、衝突回避支援ブレーキや車線逸脱警報など、安全性能が高められています。特に、高速道路ではアダプティブクルーズコントロール(ACC)が役立ち、長距離運転でも疲労を軽減できます。
これらの機能により、初心者や運転に不慣れな人でも安心して運転できるのが特徴です。
次に、乗り心地の面を見てみましょう。エスクァイアのサスペンションは、ミニバン特有のフワフワした乗り心地を抑えつつ、適度な柔らかさを持たせた設計になっています。そのため、家族での長距離ドライブでも快適に過ごすことができます。また、車内の静粛性も高く、高速道路での風切り音やエンジン音が気になりにくい点も魅力の一つです。
さらに、シートの座り心地にもこだわりが見られます。エスクァイアのシートは、厚みがしっかりしており、長時間座っていても疲れにくい設計になっています。
特に、ハイブリッドモデルではエンジン音が抑えられているため、静粛性の高さがより際立ちます。一方で、ガソリンモデルの場合は、加速時にエンジン音が少し大きくなることがあるため、高速走行時の静粛性を重視する場合はハイブリッドを選ぶのも一つの選択肢となるでしょう。
ただし、注意点として、フル乗車時の安定性には若干の課題があります。エスクァイアは比較的コンパクトなボディサイズのため、7~8人乗車時にはリアのサスペンションがやや沈み込み、走行時の安定感が少し損なわれることがあります。
そのため、大人数での移動が多い場合は、エアサスペンションや車高調整機能のある車種と比較して慎重に検討するのが良いでしょう。
総じて、エスクァイアは運転のしやすさと快適な乗り心地を兼ね備えたミニバンと言えます。特に、運転支援機能や静粛性の高さは、ファミリーカーとしての使い勝手を大きく向上させています。狭い道での取り回しもしやすいため、都市部での使用にも適しています。
ただし、フル乗車時の安定感には注意が必要なため、使用シーンに応じて最適なグレードやモデルを選ぶことが大切です。
中古価格は今後値上がりする?市場動向を解説
エスクァイアの中古価格は、今後どのように推移していくのでしょうか。ミニバン市場のトレンドや需要の変化、中古車市場の動向を踏まえながら、今後の値動きを考察します。
まず、エスクァイアの生産終了に伴う影響を見てみましょう。エスクァイアは2021年に生産終了となり、トヨタのミドルクラスミニバンとしては、ノアとヴォクシーに統合される形となりました。
一般的に、生産が終了した車種は中古市場での流通量が徐々に減少し、状態の良い個体の価値が上がる傾向があります。特に、エスクァイアのように比較的装備が充実したモデルは、根強い需要が続く可能性が高いです。
次に、ミニバン市場の全体的な動向を見てみると、現在の日本国内ではSUV人気が高まっている一方で、ミニバンの需要も一定の水準を維持しています。ファミリー層を中心にミニバンの実用性は依然として高く評価されており、中古市場でも安定した需要があります。
特に、エスクァイアはノアやヴォクシーよりも上質な内装を持つため、「上質なミニバンを手頃な価格で購入したい」と考える層には魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、今後の値上がりには注意すべきポイントもあります。一つは、ハイブリッドモデルのバッテリー寿命の問題です。エスクァイアのハイブリッドモデルは燃費が良く、維持費の面で優れていますが、バッテリーの交換が必要になるタイミングでは修理費がかさむため、中古車の価値が下がる可能性もあります。
逆に、バッテリーの状態が良好な車両は需要が高まり、価格が上昇することが予想されます。
また、半導体不足の影響による新車供給の遅れも、中古車価格に影響を与える要因の一つです。新型ノアやヴォクシーの納期が長引く状況が続けば、「すぐにミニバンが欲しい」と考える層が中古市場に流れ込み、エスクァイアの需要が高まる可能性があります。これにより、短期的には価格が上昇するかもしれません。
総合的に見ると、エスクァイアの中古価格は今後一定の需要があり、状態の良い車両は値上がりする可能性が高いと言えます。ただし、ハイブリッドバッテリーの劣化や新型車の供給状況など、さまざまな要因によって価格が変動するため、購入を検討する場合は市場の動向をこまめにチェックすることが重要です。
エスクァイアを買って後悔するケースとは?

エスクァイアは上質な内装と燃費の良さを備えたミドルクラスミニバンとして人気がありますが、全ての人にとって最適な選択肢とは限りません。実際に購入後に後悔するケースもあり、事前にデメリットを理解しておくことが大切です。ここでは、エスクァイアを買って後悔する可能性のあるケースをいくつか紹介します。
まず、走行性能に期待しすぎると後悔する可能性があります。エスクァイアはファミリー向けのミニバンとして設計されており、走りの面ではスポーティさよりも快適性を重視しています。そのため、加速性能は控えめで、高速道路での追い越しや坂道でのパワー不足を感じることがあるかもしれません。
特に、ガソリンモデルは車両重量がある分、加速が鈍く感じられることがあります。もし力強い走行性能を求めるのであれば、より排気量の大きいエンジンを搭載した車種を検討するのが良いでしょう。
次に、収納スペースに不満を感じるケースもあります。エスクァイアはミドルクラスミニバンとしては標準的な収納スペースを持っていますが、アルファードやエルグランドのような大型ミニバンと比較すると、ラゲッジスペースがやや狭く感じるかもしれません。
特に、3列目シートを使用すると荷物を置くスペースが限られるため、大人数での長距離旅行やキャンプなどを頻繁に行う場合は、積載量に不満を感じる可能性があります。
また、中古で購入する場合、バッテリーの劣化や修理費用がかさむことも考慮すべきポイントです。特にハイブリッドモデルでは、駆動用バッテリーの寿命が近づいている車両を購入すると、数年後に高額な交換費用が発生する可能性があります。中古車を選ぶ際には、バッテリーの状態を確認し、交換歴や残存容量についてしっかりチェックすることが重要です。
さらに、エスクァイアのデザインに関しても好みが分かれることがあります。エスクァイアは高級感を意識したデザインが特徴ですが、そのフロントグリルのデザインがやや派手であるため、「シンプルなデザインが好きな人」には向かないかもしれません。
ノアやヴォクシーと比較すると、エスクァイアはよりフォーマルな印象を持つため、デザインに対する好みが購入後の満足度を左右する可能性があります。
最後に、リセールバリューに関しても注意が必要です。エスクァイアはノアやヴォクシーと比べると販売台数が少なく、知名度が低いことから、中古市場ではやや不利になる可能性があります。
将来的に売却を考えている場合、リセールバリューを重視するなら、より流通量の多いノアやヴォクシーの方が有利かもしれません。
総じて、エスクァイアは快適な乗り心地や高級感のある内装を求める人には向いていますが、走行性能や収納スペース、リセールバリューを重視する人には注意が必要な車種と言えます。購入を検討する際には、これらのデメリットをしっかり把握した上で、自分の用途やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
エスクァイア中古を狙うなら知っておくべきこと

- なぜ人気がないと言われるのか?その実態
- 生産終了による中古車価値の変化とは?
- 中古市場でハイブリッドモデルはおすすめ?
- どの年式・グレードを狙うべきか?
- 購入時に注意すべきポイントとチェックリスト
なぜ人気がないと言われるのか?その実態
エスクァイアはトヨタのミドルクラスミニバンでありながら、「人気がない」と言われることがあります。しかし、実際には一定の支持を得ており、その評価は一概に「不人気」と決めつけることはできません。では、なぜエスクァイアはこのように言われることがあるのでしょうか。その背景を探ってみましょう。
まず、ノアやヴォクシーと差別化が難しかったことが一つの要因です。エスクァイアは、ノアやヴォクシーとプラットフォームを共有しつつ、高級志向のデザインや装備を採用したモデルとして登場しました。しかし、多くのユーザーにとって「ノアやヴォクシーとそこまで大きな違いがない」という印象を持たれたことが販売面での苦戦につながりました。
特に、日本のミニバン市場では実用性やコストパフォーマンスを重視するユーザーが多く、「高級感」に特化したエスクァイアは中途半端なポジションに置かれたとも言えます。
次に、販売価格がやや割高だったことも影響しています。エスクァイアはノアやヴォクシーと比べて、装備が充実している分、価格設定が高めでした。しかし、アルファードやヴェルファイアほどの高級感を持つわけではなく、「少し高級なノア・ヴォクシー」という立ち位置になってしまいました。
そのため、「どうせ高いお金を払うなら、より豪華なアルファードを選ぶ」「コストを抑えたいならノア・ヴォクシーで十分」と考えるユーザーが多かったのです。
また、デザインの好みが分かれることも人気が伸びなかった一因と考えられます。エスクァイアはフロントグリルを大きくあしらった独特のデザインが特徴ですが、このデザインが「派手すぎる」「押し出し感が強い」と感じる人も少なくありませんでした。
一方で、ノアやヴォクシーはそれぞれ異なるデザインの選択肢があり、ユーザーの好みに合わせて選びやすいというメリットがありました。このデザインの好みがエスクァイアの人気に影響を与えた可能性があります。
さらに、新車販売のターゲット層が狭かったことも見逃せません。エスクァイアは、「ミドルクラスミニバンを探しているが、少し上質な雰囲気が欲しい」というニッチな層をターゲットにしていました。しかし、そうした層は市場全体で見るとそこまで多くなく、販売台数を伸ばしにくかったのです。
結果的に、ノアやヴォクシーほどの知名度を得ることができず、「人気がない」と言われる状況につながったと考えられます。
総合的に見ると、エスクァイアは決して性能が悪いわけではなく、高級感のあるミニバンとしての魅力を備えたモデルでした。しかし、ノアやヴォクシーとの差別化が難しく、価格面やデザインの好みが分かれる点が影響し、販売面で苦戦したのが実情です。
中古車市場ではコストパフォーマンスの高い選択肢として再評価される可能性もあるため、「人気がない」という言葉だけで判断せず、しっかりと車の特性を理解することが重要です。
生産終了による中古車価値の変化とは?

エスクァイアは2021年に生産終了となりましたが、この影響は中古車市場にどのように現れているのでしょうか。一般的に、生産終了した車種は中古市場での価値が変動することが多く、特に需要と供給のバランスが大きく関係します。ここでは、エスクァイアの中古車価値が今後どのように変化する可能性があるのかを見ていきましょう。
まず、生産終了による希少価値の上昇が考えられます。新車販売が終了すると、今後エスクァイアの供給は中古車市場に出回る在庫に依存することになります。
そのため、一定数の需要が続く限り、市場に流通する台数が減るとともに価格が上昇する可能性があります。特に、装備が充実した上級グレードや低走行の個体は、今後価値が高まりやすいと考えられます。
次に、ミニバン市場の動向も中古車価格に影響を与えます。現在の日本国内ではSUVの人気が高まっていますが、ミニバンの需要も依然として根強いです。特に、ファミリー層を中心に「広々とした車内空間」や「使い勝手の良さ」を求める人が多く、エスクァイアのようなミドルクラスミニバンは一定の需要を維持すると考えられます。
そのため、中古市場においても需要が落ち込むことはなく、状態の良い車両は価格が安定するでしょう。
ただし、今後の中古車価格の推移には注意すべき点もあります。一つは、ハイブリッドモデルのバッテリー寿命の問題です。エスクァイアのハイブリッドモデルは燃費が良く維持費も抑えられますが、バッテリーの交換時期が近づくと修理費用がかかるため、中古車価格が下がる可能性があります。
そのため、購入する際はバッテリーの状態を確認することが重要です。
また、新型ノア・ヴォクシーの登場も影響を与える要因の一つです。2022年に新型ノア・ヴォクシーが発売され、より最新の技術や安全装備を備えたモデルが登場しました。これにより、「新車にこだわらないが、できるだけ最新のモデルを選びたい」というユーザーがノア・ヴォクシーに流れる可能性があります。
その結果、エスクァイアの中古車価格は一定の水準で落ち着くか、もしくは下落する可能性も考えられます。
総合的に見ると、エスクァイアの中古車価値は今後も一定の需要を維持しつつ、希少価値のある個体は価格が上昇する可能性があると言えます。しかし、ハイブリッドバッテリーの劣化や新型モデルの影響によって価格が下落するリスクもあるため、市場の動向を注視しながら購入を検討することが大切です。
購入を考えている人は、価格が大きく変動する前に、自分の用途に合ったタイミングで決断するのが賢明でしょう。
中古市場でハイブリッドモデルはおすすめ?

エスクァイアの中古車を検討する際、ハイブリッドモデルを選ぶべきかどうかは、多くの人が気になるポイントです。燃費の良さや維持費の安さが魅力的なハイブリッドですが、中古車としてのメリット・デメリットもあります。ここでは、エスクァイアのハイブリッドモデルが中古市場でおすすめできるのかを詳しく解説します。
まず、燃費性能の高さは大きなメリットです。エスクァイアのハイブリッドモデルは、ノアやヴォクシーと同じ「THSⅡ(トヨタ・ハイブリッド・システム)」を採用しており、カタログ燃費はリッター23.8km(JC08モード)と優れた数値を記録しています。実燃費では15~18km/L程度になることが多いですが、それでもガソリンモデルに比べて燃料代を抑えられる点は魅力です。
特に、年間の走行距離が長い人や、高速道路を頻繁に利用する人にとって、ガソリン代の節約は大きなメリットとなるでしょう。
次に、静粛性と乗り心地の良さもポイントです。ハイブリッドモデルはモーター走行が可能なため、発進時や低速走行時のエンジン音が抑えられ、快適な乗り心地を提供します。
また、エスクァイアは高級ミニバンとしての位置づけがあるため、防音対策もしっかりしており、一般的なミドルクラスミニバンよりも静粛性が高い傾向にあります。
一方で、バッテリーの寿命と交換コストには注意が必要です。エスクァイアのハイブリッドバッテリーは、通常10万km以上の耐久性を持つと言われていますが、使用状況によっては劣化が早まることもあります。
交換費用は約20万円~30万円と高額になるため、購入時にはバッテリーの状態をチェックすることが大切です。また、車検の際にバッテリー診断を受け、寿命が近づいていないかを確認することをおすすめします。
また、中古市場ではハイブリッドモデルの価格が高めに設定されることが多い点も考慮すべきです。ハイブリッド車はガソリン車よりもリセールバリューが高いため、中古価格も比較的高めに推移しています。
特に、低走行・高年式の個体は価格が下がりにくいため、コストパフォーマンスを重視する場合は、走行距離がある程度伸びた個体を狙うのも一つの選択肢です。
総合的に見ると、エスクァイアのハイブリッドモデルは燃費の良さや静粛性を重視する人にはおすすめです。ただし、バッテリーの寿命や価格面での注意点もあるため、自身の使用環境や予算に応じて慎重に選ぶことが重要となります。
どの年式・グレードを狙うべきか?

エスクァイアの中古車を購入する際、年式やグレードの選び方は重要なポイントです。新車時の販売期間は2014年から2021年までと比較的短いため、市場に出回っている年式の幅はそれほど広くありませんが、それでも選ぶ際の基準を知っておくと失敗を避けられます。
まず、おすすめの年式についてですが、基本的には2017年以降のモデルが狙い目です。この理由は、2017年のマイナーチェンジで安全装備の充実やデザインの改良が行われたためです。
特に「トヨタ・セーフティセンスC」から「トヨタ・セーフティセンス」へのアップグレードにより、衝突被害軽減ブレーキやレーンディパーチャーアラートの精度が向上しています。また、ハイブリッドモデルでは燃費性能の向上も見られ、より実用的な選択肢となっています。
次に、おすすめのグレードですが、最もバランスが良いのは「Gi」または「Giプレミアムパッケージ」です。
これらのグレードは、高級感のある内装や装備が充実しており、エスクァイアの持つ「上質なミニバン」という特徴をしっかり活かせます。
また、合成皮革シートやシートヒーターなど、快適性を向上させる装備が充実しているため、中古車として長く乗るには最適な選択肢と言えます。
一方で、コストを抑えたい場合は「Xi」グレードも検討の余地ありです。
「Xi」はエスクァイアのエントリーグレードに位置し、装備面では「Gi」よりもシンプルですが、その分価格が抑えられているため、予算に応じて選ぶ価値はあります。ただし、快適装備が少ない点には注意が必要です。
また、ファミリーでの利用を考えているなら、7人乗り仕様がおすすめです。
エスクァイアには7人乗りと8人乗りの仕様がありますが、7人乗りの方がキャプテンシートを採用しており、乗り降りのしやすさや長距離移動時の快適性が優れています。特に、後部座席を頻繁に使用する場合は7人乗りを選んだ方が使い勝手が良いでしょう。
以上のことから、2017年以降の「Gi」または「Giプレミアムパッケージ」を選ぶのが最もおすすめです。ただし、予算や用途に応じて、「Xi」や8人乗り仕様を検討するのも良い選択肢となります。
購入時に注意すべきポイントとチェックリスト

エスクァイアの中古車を購入する際には、いくつかのポイントを事前にチェックしておくことが重要です。ここでは、失敗を防ぐための具体的な注意点とチェックリストを紹介します。
1. 走行距離と整備履歴を確認する
エスクァイアの耐久性は高いですが、10万km以上走行している個体はバッテリーや足回りの消耗が進んでいる可能性があります。
また、定期的なメンテナンスがされているか、整備履歴を確認することも大切です。
2. ハイブリッドバッテリーの状態
ハイブリッドモデルを選ぶ場合、バッテリーの劣化具合を確認することが不可欠です。
可能であれば、ディーラーや専門業者でバッテリー診断を行い、交換時期が近づいていないかをチェックしましょう。
3. 修復歴の有無
事故車や修復歴ありの個体は、価格が安い反面、後々トラブルを抱える可能性があります。
特に、フレームに影響を与える修復歴がある場合は避けた方が無難です。
4. エンジン・ミッションの動作確認
試乗ができる場合は、加速や変速がスムーズかどうかを確認しましょう。
また、異音や振動がないかもチェックポイントです。
5. 電装系の動作チェック
エスクァイアには多くの電子機器が搭載されているため、
パワースライドドア、ナビ、エアコン、各種スイッチ類が正常に作動するかを確認することが重要です。
これらのポイントをしっかり押さえて、納得のいく一台を選びましょう。
総括:エスクァイアの中古は今が狙い目?購入時のポイント
- エスクァイアはノア・ヴォクシーと競合し、販売台数が伸びなかった
- 高級感を強調したデザインが好みを分けた
- 価格が中途半端で、上位モデルや競合車に流れた
- 販売チャネルが限定されており、流通が広がりにくかった
- 生産終了により中古市場の流通量が減少傾向
- 値上がりの可能性は低いが、状態の良い個体は安定価格を維持
- ハイブリッドモデルは燃費が良く、中古市場でも人気が高い
- バッテリーの劣化に注意し、交換費用を考慮する必要がある
- 運転支援機能が充実し、初心者でも運転しやすい
- 走行性能は快適性重視で、高速域の加速力は控えめ
- 収納スペースは十分だが、フル乗車時は積載量が限られる
- 人気がないと言われるが、中古ではコスパの良い選択肢
- 安全装備の充実した2017年以降のモデルが狙い目
- 高年式・低走行の個体は価格が落ちにくい傾向
- 購入前に修復歴・整備履歴・電装系の動作確認が必須