新型のマイナーチェンジについて、多くの予想やリーク情報が飛び交っていたホンダ ステップワゴン。
ついに2025年5月、待望のステップワゴン マイナーチェンジが実施されました。
注目されていた外観のデザイン変更や待望の4WDモデル追加はあったのか、そして気になる現在の受注状況はどうなっているのでしょうか。
今回の記事では、新しくなったステップワゴンの変更点を徹底的に解説し、その実力に迫ります。
この記事のポイント☝️
- 2025年改良モデルの具体的な変更点
- 新グレード「AIR EX」と「BLACK EDITION」の特徴
- ライバル車と比較したステップワゴンの現在地
- ガソリン車とハイブリッド車の納期や受注状況
ステップワゴン マイナーチェンジの全貌

- 新型マイナーチェンジはいつとの予想
- 事前にあった様々なリーク情報
- 変更されなかった外観のデザイン
- 新グレード「AIR EX」の魅力とは
- 最上級「BLACK EDITION」も登場
- 価格改定とグレード構成の変更点
新型マイナーチェンジはいつとの予想されてたか
現行の6代目ステップワゴンは2022年5月に発売され、その洗練されたデザインと広大な室内空間で注目を集めました。
一般的に、自動車のモデルサイクルでは発売から3年前後で、商品力を維持・向上させるためのマイナーチェンジが行われることが多くあります。
そのため、多くのユーザーや自動車ファンの間では、2025年春頃に大きな変更が加えられるのではないかという予想が立てられていました。
特に、先代モデルがデビューから約2年半でハイブリッド追加やデザイン変更を含む大規模な改良を行った実績があったため、今回もフェイスリフト(外観の大幅な変更)や新技術の投入など、大きな進化が期待されていたのです。
このように、ステップワゴンのマイナーチェンジがいつ実施されるかについては、市場で高い関心が寄せられていました。
事前にあった様々なリーク情報

正式発表が近づくにつれて、インターネット上や自動車専門誌では、新型ステップワゴンに関する様々なリーク情報や憶測が飛び交いました。中でも特に注目を集めていたのが、エクステリアのフェイスリフトに関する情報です。
競合であるトヨタのノア/ヴォクシーや日産セレナが、より個性を主張するデザインで人気を集めていることから、ステップワゴンもより存在感のあるフロントマスクに変更されるのではないか、という見方が有力でした。
また、機能面では、特に降雪地域のユーザーから要望の多かったハイブリッドモデル(e:HEV)への4WD設定の追加が噂されていました。これらのリーク情報は、ユーザーの期待を大きく膨らませる要因となりましたが、結果として今回の改良では見送られる項目も含まれていました。
変更されなかった外観のデザイン

多くの予想や期待がありましたが、今回のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインに大きな変更はありませんでした。ホンダによると、現行モデルのデザインがユーザーから高く評価されており、販売も堅調に推移しているため、デザインを変更する必要はないと判断したとのことです。
確かに、シンプルでクリーンな「AIR」と、スタイリッシュな「SPADA」の2つのデザインは、これまでのミニバンにはなかった独自の価値を提供しています。ホンダとしては、この基本デザインの魅力を維持しつつ、グレード追加や装備の充実で商品力を高める戦略を選んだ形です。
販売台数から見る立ち位置
ホンダの見解とは裏腹に、販売台数を見ると、2024年度のデータではライバルの日産セレナ(約8.1万台)やトヨタのノア・ヴォクシー連合(合計約14.6万台)に対して、ステップワゴンは約5.1万台と苦戦している側面もあります。
このため、一部からはデザイン変更によるテコ入れを期待する声があったのも事実です。
結果として、外観はほぼ変わらないものの、全グレードで艶感と耐久性を向上させた新しいクリア塗装が採用されるなど、細部での品質向上は図られています。
新グレード「AIR EX」の魅力とは

今回の改良で最大の目玉の一つが、新グレード「AIR EX」の追加です。これは、シンプルでモダンなデザインが好評の「AIR」をベースに、ユーザーから要望の多かった快適装備を多数追加した上位グレードになります。
これまでの「AIR」は、デザインは好きでも装備が物足りない、という声がありました。特に、上級グレードの「SPADA」にしか設定されていなかった以下の装備が、「AIR EX」では選択可能になったのが大きなポイントです。
「AIR EX」の主な追加装備
- パワーテールゲート(メモリー機能付):荷物が多い時に便利な電動ゲートです。
- 2列目オットマン(キャプテンシート):足を伸ばしてリラックスできる快適装備。
- 運転席&助手席シートヒーター:冬場のドライブを快適にします。
- トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコン:後席でも独立して温度設定が可能です。
- 全席USBチャージャー(Type-C):どの席でも充電に困りません。
これまで「SPADAのデザインは少し派手だけど、装備は充実させたい」と考えていたユーザーにとって、待望の選択肢が登場したと言えるでしょう。まさに、かゆいところに手が届く、絶妙なグレード設定です。
最上級「BLACK EDITION」も登場

もう一つの注目すべき新グレードが、e:HEV SPADAの最上級グレード「PREMIUM LINE」をベースにした特別仕様車「BLACK EDITION」です。これは、近年のホンダ車で人気を博しているブラック加飾を内外装の各所にあしらい、さらなる上質さと精悍さを追求したモデルです。
その名の通り、黒を基調とした専用装備が特徴で、他のグレードとは一線を画す強い存在感を放ちます。
まさに究極のステップワゴン!細部までブラックで統一されたスタイルは、所有する喜びを格別なものにしてくれそうですね。
BLACK EDITIONの主な専用装備
- エクステリア:ブラッククロームメッキのフロントグリルや各種ガーニッシュ、ベルリナブラック塗装の専用17インチアルミホイール、クリスタルブラック・パールのドアミラーやドアハンドルなどを採用。
- インテリア:ステアリングのロアーガーニッシュがピアノブラックになり、室内の質感を高めています。
- 専用エンブレム:リアにはBLACK EDITION専用エンブレムが装着され、特別感を演出します。
快適装備はベースとなる「SPADA PREMIUM LINE」に準じているため、見た目の好みに合わせて選ぶことになります。他とは違う、特別な一台を求めるユーザーに最適なグレードです。
価格改定とグレード構成の変更点

今回のマイナーチェンジに伴い、装備の充実化や原材料価格の高騰などを理由に、全体的な価格改定が行われました。グレードによって異なりますが、およそ13万円から20万円程度の値上げとなっています。
また、価格だけでなくグレード構成にも大きな変更がありました。特に「AIR」については、これまで設定のあったガソリン車の4WDモデルと、e:HEV(ハイブリッド)モデルが廃止され、新設された「AIR EX」にその役割が移行した形です。
これにより、「AIR」はガソリンFFモデルのみのシンプルなエントリーグレードとしての位置づけが明確になりました。
グレード | エンジン | 駆動 | 新価格 | (参考)旧価格 |
---|---|---|---|---|
AIR | 1.5L ガソリン | FF | 3,348,400円 | 3,169,100円 |
AIR EX (新) | 1.5L ガソリン | FF | 3,543,100円 | – |
AIR EX (新) | e:HEV | FF | 3,938,000円 | – |
SPADA | 1.5L ガソリン | FF | 3,603,600円 | 3,466,100円 |
SPADA | e:HEV | FF | 3,998,500円 | 3,850,000円 |
SPADA PREMIUM LINE | e:HEV | FF | 4,268,000円 | 4,066,700円 |
BLACK EDITION (新) | e:HEV | FF | 4,406,600円 | – |
※上記は7人乗りFFモデルの代表的な価格です。乗車定員や駆動方式によって価格は異なります。
マイナーチェンジ後のステップワゴン市場評価

- 待望のハイブリッド4WDは設定なし
- 想定外だったガソリン車の受注状況
- Honda SENSINGの機能向上点
- ライバル車との比較で見る立ち位置
- 総括:ステップワゴン マイナーチェンジの評価
待望のハイブリッド4WDは設定なし
事前のリーク情報でも特に期待が高かった、e:HEV(ハイブリッド)モデルへの4WD設定ですが、残念ながら今回の改良では見送られました。
ライバルであるノア/ヴォクシーやセレナには既にハイブリッド4WDの設定があるため、ステップワゴンの弱点として指摘されるポイントの一つです。
ホンダが悪路走破性や燃費効率に優れた新しい「電動4WDシステム」を開発しているとの情報もあり、その搭載が期待されていましたが、導入は早くても2026年以降になる可能性が高いと見られています。
降雪地域のユーザーは要注意

4WDが必要不可欠な降雪地域にお住まいで、かつハイブリッドモデルを希望する場合、ステップワゴンは現時点では選択肢から外れてしまいます。
ガソリン車には4WDの設定がありますが、燃費性能を重視するならライバル車を検討する必要が出てくるかもしれません。
想定外だったガソリン車の受注状況

今回のマイナーチェンジ後、販売現場ではホンダにとって想定外の事態が起きています。それは、ガソリン車の受注状況です。
ホンダは当初、燃費性能に優れるe:HEV(ハイブリッド)モデルが販売の中心になると見込み、生産計画もハイブリッド車を優先して組んでいました。しかし、実際に蓋を開けてみると、車両価格の安さを理由にガソリン車を選ぶユーザーが予想以上に多く、受注が殺到したのです。
このため、ガソリン車の生産枠が需要に追いつかず、ハイブリッド車よりも納期が大幅に長くなるという逆転現象が発生しています。販売店によっては、ガソリン車の納期が1年近くになるケースもあるようです。
一方で、人気のe:HEVスパーダは、条件が合えば2ヶ月程度で納車可能な場合もあるなど、パワートレインによって納期に大きな差が出ています。
Honda SENSINGの機能向上点

エクステリアの変更はありませんでしたが、安全性能は着実に進化しています。全グレードに標準装備されている先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」に、新たに2つの機能が追加されました。
新たに追加されたHonda SENSINGの機能
- 後退出庫サポート:駐車場からバックで出る際に、後方左右から接近する車両を検知し、音とディスプレイ表示で警告します。(マルチビューカメラシステム装備車のみ)
- 急アクセル抑制機能:ブレーキとアクセルの踏み間違いを検知した場合に、急加速を抑制し、警告します。障害物がない状況でも作動するのが特徴です。
これらの機能追加により、駐車時や発進時など、日常でヒヤリとしやすい場面での安全性がさらに向上しました。特に、見通しの悪い駐車場での後退は誰にとっても不安なもの。後退出庫サポートは、そんなドライバーの心理的負担を大きく軽減してくれる、心強い機能と言えるでしょう。
ライバル車との比較で見る立ち位置

ミニバン市場は、トヨタのノア/ヴォクシー、日産セレナという強力なライバルがひしめく激戦区です。今回の改良で、ステップワゴンはどのような立ち位置になったのでしょうか。
それぞれのクルマに個性があって、どれを選ぶか迷いますよね。ステップワゴならではの強みをチェックしてみましょう!
ステップワゴンの最大の強みは、やはりクラス最大級の室内空間と、3列目シートの床下格納です。ライバル車が採用する跳ね上げ式と違い、ステップワゴンの床下格納は、格納時に荷室の左右の視界を妨げず、完全にフラットで広大な空間を生み出せるのが利点です。
一方で、燃費性能ではトヨタのハイブリッドシステムに、高速道路での運転支援機能(プロパイロット2.0)ではセレナに、それぞれ一歩譲る部分もあります。
項目 | ホンダ ステップワゴン | トヨタ ノア | 日産 セレナ |
---|---|---|---|
全長 | 4,830mm (SPADA) | 4,695mm | 4,765mm (LUXION) |
最小回転半径 | 5.4m | 5.5m | 5.7m |
燃費 (WLTC) | 20.0km/L | 23.0km/L | 20.6km/L |
3列目シート格納 | 床下格納式 | 左右跳ね上げ式 | 左右跳ね上げ式 |
ハイブリッド4WD | 設定なし | 設定あり | 設定あり |
このように、ステップワゴンは走行性能の滑らかさや室内の静粛性、そして何より空間の広さと使い勝手の良さで勝負するモデルと言えます。デザインの好みも含め、何を重視するかで最適な一台は変わってくるでしょう。
総括:新型ステップワゴンの2025年マイナーチェンジ評価
最後に記事の内容をまとめます。
- 2025年5月16日に一部改良モデルが発売
- フェイスリフトなど外観の大きな変更はなかった
- シンプルデザインを好む層向けにAIR EXが新登場
- AIR EXには待望のパワーテールゲートやオットマンを追加
- 最上級グレードとしてBLACK EDITIONが設定された
- 内外装のブラック加飾で精悍さと質感を向上
- 装備充実に伴い約13万円から20万円の値上げ
- AIRグレードのe:HEVとガソリン4WDは廃止
- 安全装備に後退出庫サポートと急アクセル抑制機能を追加
- 待望のハイブリッド4WDモデルの設定は見送られた
- 生産計画の想定に反しガソリン車に受注が集中
- 結果としてガソリン車の納期が大幅に長期化している
- 強みはクラス随一の室内空間と3列目床下格納
- 燃費性能や先進運転支援ではライバルに譲る面も
- 実用性と快適性を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢
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