「ワゴンRがやばい」と心配されたあなたは、価格の安さに魅力を感じつつも、何か重大な欠陥があるのではないかと不安に思われているかもしれません。
確かに中古車市場を見ると、ワゴンRは驚くほど安価な個体が多く、「安かろう悪かろう」ではないかと疑念を抱くのも無理はありません。
しかし、ワゴンRの中古がなぜ安いのか、その安い理由を知れば、多くが誤解であることがわかります。
スズキの車は壊れやすいという噂の真相や、実際の相場、例えば5年落ちや10年落ちの買取価格の違い、中古車で50万円で買えるのは何年落ちの車なのか、あるいは40万の中古車は何年乗れるのか、といった具体的な疑問も多いでしょう。
この記事では、ワゴンRの中古車購入で後悔しないための注意点、中古車買うなら何万キロを目安にすべきか、ターボやグレードによる違いまで、あなたが抱える不安を解消するための情報を徹底的に解説します。
この記事のポイント☝️
- ワゴンRの中古車が安い本当の理由
- 年式や価格帯ごとの中古車の状態と目安
- 「壊れやすい」という噂の真偽と実際の耐久性
- 購入後に後悔しないための具体的なチェックポイント
「ワゴンRはやばい?」の噂と安さの理由
- ワゴンRの中古はなぜ安い? 安い理由とは?
- スズキの車は壊れやすいという噂の真相
- 5年落ち10年落ちの相場と買取価格の比較
- 中古車で50万円で買えるのは何年落ちの車か
- 40万の中古車は何年乗れるのか
ワゴンRの中古はなぜ安い? 安い理由とは?

ワゴンRの中古車が市場で安価に取引されている背景には、「やばい」欠陥があるからではなく、明確な市場原理が存在します。ワゴンRの中古はなぜ安いのか、その安い理由は、主に圧倒的な流通量の多さにあります。
ワゴンRは1993年の初代登場以来、軽ハイトワゴンというジャンルを確立し、長年にわたって国内販売台数の上位に君臨し続けてきました。新車が多く売れたということは、当然ながら数年後に中古車市場へ流入する台数も膨大になります。
需要と供給のバランスで言えば、需要を上回るほどの供給(在庫)が存在するため、中古車販売店は価格競争をせざるを得ません。これが、ワゴンRの中古車が安くなる最大の理由です。
中古車が安くなる主な理由
- 圧倒的な新車販売台数:中古車市場への供給が常に豊富です。
- 短いモデルチェンジ周期:スズキは比較的短いスパンでモデルチェンジを行います。新型が登場すると、旧型モデルの価格は一気に下落します。
- 軽自動車市場の競争激化:ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」など、強力なライバルがひしめき合っており、価格競争が常に発生しています。
- シンプルなグレードの多さ:法人向けの営業車やリース車両として使われた、装備がシンプルなベースグレードも多く流通しています。これらは内外装の使用感が出やすい反面、価格は非常に安く設定されます。
例えば、5年落ちといった比較的新しい年式でも、フルモデルチェンジを挟んでいると「型落ち」と見なされ、価格が大きく下がることがあります。
また、ワゴンRは実用性を重視した設計のため、通勤や買い物、法人の営業車として使われるケースが非常に多い車種です。
特に営業車として使用された車両は、年式の割に走行距離が延びている(過走行)傾向があり、これが相場をさらに押し下げる一因となっています。
「安い=壊れている」ではない
このように、ワゴンRが安いのは「壊れやすいから」や「人気がないから」ではなく、「市場に溢れているから」という理由が最も大きいのです。
むしろ、部品が豊富で修理費用も安く抑えられる傾向にあるため、賢く選べば非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
もちろん、安い個体の中には状態が悪いものも紛れています。しかし、その理由を正しく理解し、適切な選び方を知っていれば、「やばい」車を避けてお得な一台を見つけることは十分に可能です。
スズキの車は壊れやすいという噂の真相

スズキの車は壊れやすいのではないか、という不安は、特にワゴンRのような安価な中古車を検討する際に抱きがちな懸念です。
しかし、結論から言えば、ワゴンR(スズキ車)が他の国内メーカーに比べて突出して壊れやすいという事実は、現代の車においてはほとんどありません。
この噂が広まった背景には、いくつかの要因が考えられます。
1. 販売台数の多さ
前述の通り、ワゴンRは非常に多く販売されている車種です。母数が大きければ、それに比例して不具合を経験するユーザーの絶対数も多くなります。結果として、「ワゴンRが壊れた」という情報がインターネット上などで目立ちやすくなり、「壊れやすい」というイメージが形成されやすくなります。
2. メンテナンス状況の個体差
ワゴンRは価格が手頃なため、通勤や日常の足として「乗りっぱなし」にされやすい傾向があります。軽自動車は普通車に比べてエンジンを高回転で回すことが多く、オイル交換などの基本的なメンテナンスを怠ると、当然ながらエンジントラブルなどのリスクが高まります。
これは車自体の耐久性の問題ではなく、ユーザーのメンテナンス次第な部分が大きいです。
古い年式やターボモデルで注意すべき点
「壊れやすい」というわけではありませんが、年式が古いモデル(特に10年落ち以上)や特定の部品には、注意が必要なケースもあります。
- 電装系のトラブル:古い軽自動車全般に言えますが、パワーウィンドウのスイッチやエアコンのコンプレッサーなどは、経年劣化で不具合が出やすい部品です。
- CVTの耐久性:初期のCVT(無段変速機)搭載モデルでは、ジャダー(発進時の振動)などのトラブルが報告されることがありました。近年のモデルでは大幅に改善されています。
- ターボモデルの管理:ターボ車(スティングレーなど)は、NA(自然吸気)モデルに比べてエンジンに負荷がかかります。オイル管理がずさんだった中古車は、ターボチャージャーの故障リスクを抱えている可能性があります。
3. 部品供給と修理のしやすさ
逆に言えば、ワゴンRは販売台数が多いメリットとして、中古部品やリビルト品(再生部品)が豊富に流通しています。万が一故障した場合でも、修理費用を安価に抑えられる可能性が高いのです。
エンジンやミッションといった主要部品は非常に丈夫に作られており、定期的なメンテナンス(特に3,000km~5,000kmごとのオイル交換)をしっかり行えば、15万km、20万kmと長く乗り続けることも十分可能です。
「スズキの車は壊れやすい」という噂は、主にメンテナンス不足の個体や、母数の多さから来るイメージによるものと考えられます。「安い」からといって過度に心配する必要はなく、購入時に整備履歴をしっかり確認することが重要です。
5年落ち10年落ちの相場と買取価格の比較

中古ワゴンRを選ぶ際、価格と品質のバランスを考える上で重要な指標となるのが「年式」です。特に相場が大きく変動する5年落ちと10年落ちでは、価格だけでなく車の状態や将来的な買取価格にも大きな違いが生まれます。
ここでは、それぞれの年式の特徴を比較してみましょう。
| 項目 | 5年落ち(目安) | 10年落ち(目安) |
|---|---|---|
| 該当モデル (2025年時点) | 6代目 (MH55S/35S) 初期型 5代目 (MH44S/34S) 後期型 | 4代目 (MH23S) 後期型 5代目 (MH34S) 初期型 |
| 中古車相場 | 60万~100万円前後 | 20万~40万円前後 |
| 特徴 | ・現行に近い装備やデザイン ・マイルドハイブリッド搭載車あり ・安全装備(衝突被害軽減ブレーキ)が充実 ・走行距離が比較的少ない(5万km前後)個体が多い | ・価格が非常に安価 ・走行距離が10万km前後の個体が多い ・部品の経年劣化が進んでいる可能性あり ・装備はベーシックなものが多い |
| 買取価格の傾向 | まだ十分に価値が残る。数年後の乗り換えでも一定の価格が期待できる。 | ほぼ底値。数年乗った後の買取価格は期待できず、廃車費用がかかる場合も。 |
5年落ち:価格と信頼性のバランス重視派におすすめ
5年落ちのワゴンRは、「価格を抑えつつ、長く安心して乗りたい」という方に最適です。
現行モデル(6代目)や、その一つ前の後期型(5代目)が該当し、デザインの古さをあまり感じさせません。
最大のメリットは、衝突被害軽減ブレーキ(スズキ セーフティ サポートなど)が搭載され始めた時期であることです。
走行距離もまだ浅い車両が多く、内外装の状態も良好な傾向にあります。初期費用は10年落ちに比べて高くなりますが、故障リスクの低さや、数年後の買取価格(リセールバリュー)を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは高いと言えます。
10年落ち:初期費用をとにかく抑えたい方向け
10年落ちのワゴンRは、「とにかく初期費用を安くしたい」「短期間の足として割り切って使う」という場合に適しています。
価格は20万円台から見つかることもあり、非常に魅力的です。しかし、この年式になると走行距離が10万kmを超えている個体も珍しくありません。
10年落ちを選ぶ際は、ゴム部品(ブッシュ類)やバッテリー、タイヤなどの消耗品が交換時期を迎えている可能性が高いです。
購入価格は安くても、購入直後に整備費用がかさむリスクを考慮する必要があります。整備記録簿で過去のメンテナンス履歴をしっかり確認することが必須です。
買取価格については、10年落ちの時点でほぼ価値は残っていないため、乗り潰す前提での購入となります。
中古車で50万円で買えるのは何年落ちの車か

中古車で50万円で買えるのは何年落ちの車か、という疑問は、中古ワゴンRを探す上で非常に現実的な予算設定です。結論から言うと、予算50万円(車両本体価格)であれば、状態の良い個体を選べる分岐点と言えます。
2025年現在の市場において、50万円の予算で購入できるワゴンRの目安は以下の通りです。
予算50万円で購入できるワゴンRの目安
- 年式:5年落ち~8年落ち(2017年~2020年頃)が中心。
- モデル:5代目(MH34S/44S)の後期型、または6代目(MH55S/35S)の初期型が射程圏内に入ります。
- 走行距離:5万km~8万km程度。この範囲であれば、まだ大きなトラブルの心配は少ないでしょう。
- グレード:標準モデル(FXやFA)が中心ですが、タイミングが良ければ「スティングレー」のNAモデルも見つかる可能性があります。
50万円の予算があれば、10年落ちのような「安かろう悪かろう」のリスクを避け、比較的安心して乗れる個体を選ぶことが可能です。
50万円で5代目(MH34S/44S)後期型を狙うメリット
この予算帯で特におすすめなのが、5代目の後期型(2014年~2017年)です。
このモデルは、スズキの低燃費技術「エネチャージ」(マイルドハイブリッドの前身)が搭載されているグレードがあり、燃費性能が大きく向上しています。また、衝突被害軽減ブレーキがオプション設定された時期でもあり、安全装備が付いた個体を見つけられる可能性もあります。
5代目は4代目(MH23S)からプラットフォームが一新され、室内空間も拡大しており、快適性が高いのも特徴です。
6代目(MH55S/35S)の初期型も視野に
6代目の初期型(2017年~)も、グレードや走行距離によっては50万円台で見つかることがあります。現行デザインであり、マイルドハイブリッドシステムが本格的に搭載されたモデルのため、燃費性能を最重要視するなら狙い目です。ただし、この価格帯では走行距離が多め(8万km超)になる傾向があります。
50万円という予算は、ワゴンRの中古車選びにおいて「価格」と「品質」のバランスが最も良いゾーンの一つです。10年落ちのリスクを避けつつ、現行型に近い機能性を手に入れることができるでしょう。
40万の中古車は何年乗れるのか

予算をさらに抑えて「40万の中古車は何年乗れるのか」を考えた場合、これは車の「購入時の状態」と「購入後のメンテナンス」に大きく左右されます。40万円という価格帯は、10年落ちの底値圏を抜け出し、少し状態の良い個体が見え始めるラインです。
2025年現在、40万円(車両本体価格)で狙えるワゴンRは、主に以下のモデルが中心となります。
- 5代目(MH34S)初期型:2012年~2014年式。走行距離が7万km~10万km程度のもの。
- 4代目(MH23S)後期型:2010年~2012年式。走行距離が5万km~8万kmと、比較的浅いもの。
これらの車両を「あと何年乗れるか」は、一概には言えません。しかし、軽自動車の一般的な寿命の目安(15年・15万km~20万km)から逆算することは可能です。
購入後のメンテナンスが寿命を決定づける
例えば、40万円で「8年落ち・走行8万km」の個体を購入したとします。この車が過去にしっかりオイル交換されていれば、あと5年・5万km(合計13年・13万km)は大きな問題なく乗れる可能性が高いです。しかし、購入後のオイル交換を怠れば、1~2年でエンジンに不調をきたすかもしれません。
40万円の価格帯で中古車を選ぶ際は、「何年乗れるか」を保証するものがないことを理解し、以下の点を重視する必要があります。
40万円の車を長く乗るためのチェックポイント
- 整備記録簿(メンテナンスノート)の確認
これが最も重要です。過去にどれくらいの頻度でオイル交換や点検が行われていたかを確認します。記録がしっかり残っている車は、大切に扱われてきた証拠です。 - 消耗品の状態
タイヤの溝、ブレーキパッドの残量、バッテリーの製造年月日などを確認します。これらがすぐに交換必要だと、購入直後に数万円の追加出費が発生します。 - エンジンとCVTの状態
試乗させてもらい、エンジン始動時の異音、アイドリングの不安定さ、発進時のショックや滑り(CVT)がないかを確認します。
結論として、40万円の中古車でも、状態の良い個体を見極め、購入後に年間1~2回の定期点検とオイル交換を欠かさなければ、次の車検(2年後)はもちろん、3年~5年と乗り続けることは十分可能です。
逆に言えば、整備を怠れば1年持たないリスクもはらんでいるのが、この価格帯の特徴です。
「ワゴンRはやばい?」事故車などの個体を避ける選び方
- 中古車買うなら何万キロが目安?
- ターボやグレードによる違いと選び方
- 信頼できる販売店の見つけ方
- 購入時の注意点 後悔しないために
- ワゴンRはやばいと言われる背景まとめ
中古車買うなら何万キロが目安?

中古車選びで最も悩ましい指標の一つが走行距離です。「中古車買うなら何万キロまでが許容範囲か?」という問いに対して、ワゴンRのような軽自動車の場合は、「10万km」が一つの大きな目安となります。
しかし、現代の車は耐久性が向上しており、走行距離だけで判断するのは早計です。重要なのは「走行距離と年式、そして整備履歴のバランス」です。
「年式 × 1万km」の法則
車の標準的な走行距離は、1年間で約1万kmと言われています。これに基づいて、中古車の状態を大まかに判断できます。
- 年式相応(例:5年落ちで5万km):標準的な使われ方をした車。最も個体数が多く、選びやすいゾーンです。
- 低走行車(例:5年落ちで2万km):状態が良い可能性が高いですが、価格は割高になります。ただし、短距離走行ばかりだとエンジン内部に汚れが溜まっている(シビアコンディション)可能性もゼロではありません。
- 過走行車(例:5年落ちで10万km):価格は非常に安くなります。長距離移動がメインだった可能性が高く、短距離のストップ&ゴーを繰り返した車よりエンジン状態が良い場合もありますが、足回りや各部の消耗は進んでいます。
軽自動車における走行距離の考え方
軽自動車は普通車よりもエンジン排気量が小さいため、高回転域を多用しがちです。そのため、一般的に普通車よりもエンジンへの負荷は大きいとされています。
理想の目安:5年落ち・5万km以内
価格と品質のバランスが最も良いとされるラインです。大きなトラブルを抱えている可能性が低く、購入後のメンテナンス費用も予測しやすいです。
許容範囲:10万km未満
予算を抑えたい場合、10万km未満であれば選択肢に入れても良いでしょう。ただし、8万kmを超えたあたりから消耗品の交換(バッテリー、タイヤ、ブレーキパッドなど)が必要になる個体が増えます。
10万km超えは「やばい」のか?
10万kmを超えると、タイミングベルト(ワゴンRは多くがタイミングチェーン採用で交換不要ですが)やウォーターポンプ、足回りのブッシュ類など、高額な交換部品の時期を迎えます。
これらの整備が「実施済み」であれば、10万km超えでも非常にお得な場合があります。逆に、未整備のまま安く売られている個体は、購入直後に高額な修理費が発生する「やばい」車である可能性が高いです。
整備記録簿が命綱
結論として、走行距離はあくまで目安です。「5万kmでメンテナンスされていない車」より「10万kmでしっかり整備されてきた車」の方が、はるかに信頼できます。走行距離の数字に惑わされず、必ず整備記録簿を確認しましょう。
ターボやグレードによる違いと選び方

ワゴンRを選ぶ際、走行性能に大きく関わるのがターボエンジンの有無です。ワゴンRには、NA(自然吸気)エンジンを搭載した標準モデル(FXなど)と、ターボエンジンを搭載したスポーティモデル(主にスティングレー)が存在します。
どちらを選ぶかによって、運転の快適さや維持費、中古車相場が大きく変わるため、自分の使い方に合ったグレードを選ぶことが重要です。
| 項目 | ターボ車(スティングレー T など) | NA車(FX、スティングレー X など) |
|---|---|---|
| メリット | ・力強い加速力(特に高速道路や坂道) ・排気量の大きい車に近い余裕のある走り ・専用の内外装でデザイン性が高い | ・燃費性能が高い ・車両価格が安い ・税金や部品代が安価 ・構造がシンプルで故障リスクが低い |
| デメリット | ・燃費がNAより劣る ・中古車相場が高い ・オイル管理がシビア(タービン保護のため) ・ターボチャージャー故障時の修理費が高額 | ・加速がもっさりしている ・高速道路や登坂路ではパワー不足を感じる ・多人数乗車時は特に走らない |
| おすすめな人 | ・高速道路を頻繁に使う人 ・坂道の多い地域に住んでいる人 ・キビキビした走りとデザインを求める人 | ・街乗り(通勤・買い物)がメインの人 ・維持費(特に燃費)を最優先する人 ・初期費用を抑えたい人 |
ターボモデル(スティングレー)の魅力と注意点
スティングレーに代表されるターボモデルは、軽自動車の660ccという排気量ながら、1000ccクラスのコンパクトカーに匹敵する力強い走りが魅力です。高速道路での合流や追い越し、急な坂道でもストレスを感じることが少なくなります。
ただし、そのパワーと引き換えに、NAモデルよりも燃費は悪化する傾向にあります。また、中古車市場でも人気が高いため、NAモデルに比べて10万~20万円ほど価格が高く設定されています。
ターボ車の中古はオイル管理の履歴をチェック!
ターボチャージャーはエンジンの熱で高速回転するため、エンジンオイルによる潤滑と冷却が命です。
中古のターボ車を選ぶ際は、前オーナーがこまめにオイル交換をしていたかを整備記録簿で必ず確認してください。
オイル管理が悪いと、ターボが故障し、10万円以上の高額な修理費用が発生するリスクがあります。
NA(ノンターボ)モデルの堅実さ
一方、NAモデルはパワーこそありませんが、ワゴンR本来の魅力である「経済性」と「実用性」に優れています。街乗りがメインであれば、パワー不足を感じる場面は少ないでしょう。
特に5代目以降の「エネチャージ」や6代目の「マイルドハイブリッド」搭載車は、NAモデルの燃費性能を極限まで高めています。維持費を第一に考えるのであれば、NAモデルが最も堅実な選択です。
信頼できる販売店の見つけ方

状態の良い中古ワゴンRを見つけるためには、「何を買うか」と同時に「どこで買うか」が非常に重要です。いくら安くても、トラブルを隠して販売するような信頼できない販売店から購入してしまっては、元も子もありません。
信頼できる販売店を見極めるには、いくつかのポイントがあります。
1. 大手中古車情報サイトのレビューを活用する
カーセンサーやグーネットといった大手中古車情報サイトでは、販売店ごとに過去の購入者によるレビュー(口コミ)が掲載されています。
もちろん高評価ばかりの店がすべて良いとは限りませんが、低評価のレビュー内容に注目してください。
「購入後にすぐ故障した」「説明と違う箇所があった」「対応が不誠実だった」といった具体的な悪評が多い店は、避けるのが賢明です。
2. 車両の状態をしっかり開示しているか
信頼できる販売店は、車のマイナス情報(小さなキズや凹み、修復歴の有無など)を隠さずに開示しています。
「車両品質評価書」の有無
優良な販売店の多くは、JAAA(日本自動車鑑定協会)などの第三者機関による「車両品質評価書」を車両に添付しています。これはプロの鑑定士が内外装の状態や修復歴の有無を厳しくチェックした証明書であり、非常に信頼性が高い情報です。評価書(鑑定書)の提示を積極的に行っている店は、品質に自信がある証拠です。
3. 保証(アフターサービス)の充実度
中古車は何が起こるか分からないため、購入後の保証は非常に重要です。
「保証なし」や「保証期間1ヶ月・走行1,000kmまで」といった短期間の保証しか付けられない店は、販売する車に自信がない可能性があります。
- ディーラー系中古車店:スズキの正規ディーラーが運営する「スズキアリーナ」などの中古車部門は、価格は高めですが、メーカー基準の厳しい点検と手厚い保証(例:1年間・走行無制限)が付くため、安心感は抜群です。
- 一般中古車販売店:価格は安い傾向にありますが、保証内容は店によって様々です。最低でも「6ヶ月・走行5,000km」以上、できればエンジンやミッションなどの主要部品をカバーする保証を付けられる店を選びましょう。
諸費用の透明性もチェック
車両本体価格が安くても、「納車整備費用」や「登録代行費用」といった諸費用が不当に高い場合があります。見積もりを依頼し、「支払総額」で比較すること、そして各費用の内訳を明確に説明してくれる店を選ぶことが大切です。
購入時の注意点 後悔しないために

安価なワゴンRを見つけても、すぐに契約してはいけません。購入後に後悔しないために、必ずチェックすべき注意点がいくつかあります。特に「やばい」と言われるような低品質な車を避けるために、以下のポイントを現地で確認してください。
中古ワゴンR 購入前チェックリスト
- 修復歴(事故歴)の有無
これは最も重要です。車の骨格(フレーム)部分を修理・交換した車を「修復歴あり」と呼びます。修復歴があると、真っ直ぐ走らない、雨漏りがするなど、走行に重大な支障をきたすリスクがあります。価格が相場より極端に安い場合は、修復歴を疑いましょう。必ず店員に「修復歴はありませんか?」と確認してください。 - 整備記録簿(メンテナンスノート)
前述の通り、車の「カルテ」です。これがない車は、過去にどのようなメンテナンスがされてきたか不明であり、オイル交換すらされていない可能性があります。「記録簿なし」の車は原則として避けるのが賢明です。 - 内外装の臭いと汚れ
シートに座り、エアコンを作動させて臭いを確認します。タバコのヤニ臭、ペットの臭い、カビ臭さは、後からクリーニングしても完全には取れないことが多いです。また、シートのシミや天井の汚れがひどい車は、雑に扱われてきた可能性があります。 - エンジンルームの確認
ボンネットを開け、エンジンオイルが漏れた跡(黒いシミ)がないか、オイルフィラーキャップ(オイルを入れる蓋)の裏側にヘドロのような汚れ(スラッジ)が付着していないかを確認します。スラッジが多いのは、オイル管理が悪かった証拠です。 - 消耗品の状態
タイヤの溝は残っているか(スリップサインが出ていないか)、ブレーキを踏んだ時に異音(キーキー音)がしないかを確認します。これらが劣化していると、購入直後に数万円の交換費用がかかります。 - 支払総額の確認
車両本体価格だけでなく、車検費用、整備費用、登録諸費用などを全て含んだ「支払総額」で見積もりをもらいましょう。「本体価格20万円」でも「支払総額50万円」といったケースも珍しくありません。
必ず「試乗」させてもらうこと!
多くの販売店では試乗が可能です。実際に運転し、「ハンドルが取られないか」「加速はスムーズか」「異音や異臭はしないか」「エアコンは冷えるか」を自分の五感で確かめることが、失敗を避ける最大の防御策です。
中古のワゴンRがやばいと言われる背景まとめ
「ワゴンRはやばい」というキーワードの裏には、価格の安さゆえの品質への不安が隠されています。
しかし、この記事で解説した通り、その安さの多くは市場原理によるものです。最後に、ワゴンRの中古車選びで後悔しないためのポイントをまとめます。
- ワゴンRの中古が安い最大の理由は新車販売台数が多く市場に玉(在庫)が溢れているため
- 供給過多により価格競争が起こりやすく相場が安くなる
- モデルチェンジ周期が比較的短く型落ちモデルが安くなりやすい
- 法人リースや営業車上がりで走行距離が多い個体も相場を下げている
- 「スズキの車は壊れやすい」という噂は整備不良の個体や母数の多さから来るイメージが強い
- 実際には整備をしっかりすればエンジンは丈夫で長く乗れる
- 5年落ちの相場は60万~100万円前後で品質と価格のバランスが良い
- 10年落ちの相場は20万~40万円前後で初期費用を抑えられるが整備履歴の確認が必須
- 予算50万円なら5年~8年落ちの5代目後期型や6代目初期型が狙える
- 予算40万円なら4代目後期型や5代目初期型が中心で状態の見極めがより重要になる
- 走行距離の目安は10万km未満だが数字よりも整備履歴を優先すべき
- ターボ車(スティングレー)は走りが良い反面、中古相場は高くオイル管理の確認が必須
- NA車は経済性重視で街乗りメインなら最適な選択
- 信頼できる販売店選びは第三者機関の評価書や保証の手厚さで判断する
- 購入時は修復歴の有無、整備記録簿、内外装の臭いや汚れ、支払総額を必ず確認する


